【珍書・奇書・迷書】騒音浪曲芸人 堀井清水・著 「私は狂っている ゼロの幸福」を入荷!
【珍書・奇書・迷書】騒音浪曲芸人・堀井清水著「私は狂っている ゼロの幸福」(昭和46年刊)をご紹介したいと思います!!!
明治から昭和前期にかけて大衆芸能のなかでも大きな存在であった浪花節(浪曲)。
古くは桃中軒雲衛門、東家楽遊、吉田奈良丸、京山小円、そして大正・昭和になると今や伝説になっている二代目・廣澤虎造(次郎長伝!)、寿々木米若(佐渡情話!)、浪花亭綾太郎(壺坂霊験記!)、篠田実(紺屋高尾!)、酒井雲(村田英雄の師!)などなどを中心として、女流の天中軒雲月、天津羽衣、はたまた変わり種の廣澤剽右衛門(雪月花三人娘!)など…
ラジオや映画に引っ張りだこで大劇場を満員にしてしまう超一流スターから、名も知れない流れの放浪芸人までたくさんの浪曲師が誕生しました
昭和30年代に義理人情を歌い上げる古いイメージが強い浪曲は衰退の一途をたどると、酒井雲坊を名乗り若手浪曲師として地位を築いていた村田英雄や、日本大学芸術科で設立された浪曲学校卒業生の三波春夫などが歌謡曲を歌うようになり、「浪曲歌謡」という新たな路線を切り開くことになります。
その三波春夫と浪曲学校で同級生だったのが、この「私は狂っている ゼロの幸福」を著した電気三味線・騒音浪曲師の堀井清水でした
堀井清水氏について詳しい経歴が辿れませんが、戦時中に浪曲学校を卒業、戦地慰問などを経て、戦後は電気三味線(エレキ三味線のようなもの?)を開発し、堀井清水とダイヤグループというバンドを結成。
本書と連動して発売されたと思われる「0(ゼロ) 電気三味線による哲学浪曲」をテイチクレコードからリリース(「幻の名盤 お色気BOX」なるCDで堀井清水の歌が聴ける模様!)
ほかに「題名のない音楽会」や、フジテレビ「お昼のゴールデンショウ」に出演した際のスチールなども掲載されていることから、一時的ではあったにしろ「時の人」になっていたことが伺えます。
本書を見ると、楽器を開発する発明家らしく、常軌を逸した思考回路の持ち主!
自分のバンド紹介から、発明した楽器の演奏法、今までに作曲した楽曲の楽譜、そして自らの幸福論など盛沢山の内容で、ファンにはたまらないものになっています(笑)
本に挟まっていた「著者への感想」ハガキには…
う~ん。ちょっと…ノーコメント(笑)
昭和芸人の記録としても面白い珍書でありました!
by こばちゃん