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本日は、秋の落ち葉散る夕暮れに読んでみたい「乙女の港」川端康成・著をご紹介させていただきたいと思います!
この「乙女の港」は昭和13年に実業之日本社から出版されたものが初版ではありますが、本書は戦後の混乱期である昭和21年に中原淳一が経営するヒマワリ社から出版されたもの。
大きさも通常の単行サイズからB5サイズへと変更されておりますが、見て下さいこの中原淳一が描く表紙の美しさ!
この版の出版の際に書き下ろされたものと思われますが、時代は敗戦直後の荒んだ時代。実際は食べる物がなく、街には復員兵や戦災孤児があふれかえり、衣食住の保証もないという、日本人が最も苦労を背負った時代。
そんな荒廃した実生活の片鱗さえみることができない、この少女の可憐さ!色鮮やかさ!当時この本を手に取った少女たちは、どんなにか淳一描く乙女の姿に憧憬を抱いたことでしょう。
ページをめくっていたら「ぺんぺん草」の押し花が!
またノーベル賞作家のイメージが強い川端康成が少女小説を手がけていたことも興味深いところであります。川端といえば「雪国」「伊豆の踊子」などの文芸作品、あるいは「浅草紅團」のような風俗小説などを思い浮かべるところでありますが、さすがは文豪だけあって少女小説も一流に書きこなしているところは流石としか言いようがありません。
昭和の戦前期というと軍国色に塗られた苦しい時代とされておりますが、実際はモダン文化が花開き、甘美な少女文化の全盛期。
「花物語」「わすれな草」などを手がけた作家の吉屋信子はメディアに引っ張りだことなり、男装の麗人が颯爽と現れる少女歌劇が熱狂的に受け入れられたわけでございます。
中原淳一は戦前に宝塚歌劇団に関係し、昭和14年には宝塚の伝説的トップスター葦原邦子さんと結婚。
ヅカファンを公言されている瀬戸内寂聴さんはエッセイで「女のような淳一と、男みたいな葦原さんが結婚するときいてファンはとにかく驚いた」と回想されています。
本書を開くと扉に描かれたセーラー服の少女、まさか終戦直後の荒廃した時代に描かれたものとは思えない可憐さ清純さ!!!
スカートの丈、着こなし、ソックスの長さ、、どれをとっても現代的で驚かされてしまいます。
いや、むしろ、現代が中原淳一の美意識にやっと及ぶことができたと考えたほうがいいのでしょうか?
こばちゃん
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