★本日は杉並区高円寺まで伺いました★お茶道具、菊池政光、鉄瓶、七宝焼、ジャガールクルト アトモス、展覧会図録、料理本を買い取らせていただきました
くまねこ堂は画集、美術書、展覧会図録、もしくは額縁や絵画そのものをお譲りいただく機会が多く、絵画鑑賞が好きな私フジタンはわきわきと浮足立ってお仕事させていただく毎日でございます。今回もお客様から「印象派美術館」(小学館)という本を買い取らせていただきました。
というわけで、今回は印象派について少しお話いたします。
印象派は19世紀に生まれた美術のグループです。表紙の「日傘をさす女」を描いたモネをはじめ、ルノワール、ドガ、スーラ、マネなど 多くの巨匠が誕生しました。
「光をとらえる」という理念のもとに各々が試行錯誤を重ねた結果、絵画には画家自らの精神性や哲学、社会思想が強く打ち出されることとなり、のちのシュルレアリスムや現代美術に与えた影響は計り知れません。
また、産業革命の影響もあり絵具の置き方などに科学の技法が用いられ始めた時代でもあります。近代美術はここから始まった、といっても過言ではない重要な時代でした。
さて、多くの名画が誕生した印象派の時代の中でも私が一番好きな作品が、何を隠そう「日傘をさす女」なのです。モネが1875年(明治8年)に発表したこの絵は妻・カミーユと息子・ジャンをモデルとしており、カミーユの死後、モネは再婚相手・アリスの連れ子をモデルに同じ主題の作品を2枚制作しています。
日傘をさす女は後に描かれたものほど輪郭がぼやけていき、風景と同化していきます。まるで違う世界に旅立ってしまうような感覚……。
現在では、後に描かれた2枚は亡きカミ-ユへのレクイエムなのではないか…という説が浮上しています。日差し暖かい丘の向こうは、もしかしたら黄泉の国なのかも?
子どもの時から良い絵だなぁ~と思っていたのですが、数年前に絵にまつわるエピソードを知ってから、逆光の中にたたずむ女性の表情に瞬く間に魅入られてしまいまして……今ではスマホの壁紙に設定する始末です。
あぁ、いつかレプリカとか入荷しないかなぁ。
光の移ろいをとらえた美しい名画の数々、しかしカンバスの裏に描かれた画家たちのエピソードを読み解くと絵画は違った側面を見せ始めます。そこに気づいた瞬間の何ともいえない快感こそ、私が美術書を読んでしまう理由なのでしょう。
フジタン
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