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本日は1927年に発行された「銀座」(松崎天民・著)を1986年に復刻された版をご紹介させていただきたいと思います!
この本が書かれた1927(昭和2)年といえば、関東大震災からの復興の兆しが見えはじめ、それまでも高級な繁華街であった銀座がより栄えて文化の発信地となっていった時期に出版されたもの。
「銀ブラ」という言葉が庶民の憧れとなり、道徳的にもファッション的にもアメリカナイズされた「モボ・モガ」といわれた若者たちが街角を闊歩し、昭和初期の享楽文化を謳歌する姿は1920~30年代のモダン都市文化の象徴として語り継がれることになります。
本書は活字そのものを復刻したものなので、当時の雰囲気をとても楽しむことができる作りになっており、昭和初期の銀座文化について深く知ることができるルポ的エッセイになっています。
掲載されている広告を見てみても、さすがは銀座!今も営業を続けている老舗の名前をいくつも発見することができますので、今も楽しむことができる名著ではないでしょうか。
上の写真は昭和初期に花開いた「カフェー文化」の中心的存在である、カフェー・タイガーの店舗写真。「カフェー」とは現在の「カフェ」とは異なり、洋食を扱いキャバレー的要素を含んだ洋風酒場のことを指し、昭和初期の銀座にあったカフェーの名店には高等遊民、文化人を自認する人々のたまり場となっていました。この銀座文化のなかから優れた絵画や音楽、文学などが数多く誕生しております。
著者の松崎天民は明治後期から昭和初期に活躍したジャーナリストで食通としても知られた存在。大正期には都市の裏の顔やタブー、女性をテーマにしたような著作を多数残しており、同時代では青柳有美と双璧をなした存在でもありました。
代表作には「淪落の女」「人生探訪」などがありますが、私のオススメは「人間世間」です!
今となっては歴史に埋もれてしまったルポ作家さんなので、今一度皆さんに知っていただきたい方でございます。
byこばちゃん
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