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こんにちは。

突然涼しくなったと思えば、いつの間にかまたうだるような暑さに戻りましたね。

やや気温は下がっても、セミの声が耳に入るとすぐに背中が汗ばんでくるような気がします。
彼らも地上で暮らすごく僅かな期間、命を全うするために必死なのでしょう。

木の幹にしがみついて喚き散らすもの、突然道端から現れ目の前を横切るもの、着地点の見えない方向へ突進するもの、路傍で最期を静かに迎えようとするもの、と見せかけて蘇生術をつかうもの、行き交う車輪にプレスされスルメ化されたもの、……

一日のうち、さまざまなタイミングでさまざまなタイミングのセミたちと出くわします。
が、わたしは虫が苦手です。

セミ以外の虫ともエンカウントしてウワー!と鳥肌がたつ度に、なぜこんなにも嫌ってしまうのだろうという自問がはじまりますが(虫たちの人間嫌悪のほうが余程大きいでしょうが)、考えられるひとつの原因はその予測不可能性です。

目が合ったその次の瞬間にはどこにいるのかもうわからないという見えない怖さ。
いもむしスピードであればまだ落ち着きを保てそうです。

さて、そんなわたしが今回ご紹介する本は、こちらです。

小島啓史「月刊むし・ブックス1 クワガタムシ飼育のスーパーテクニック」(1996年、むし社)
※絶版

思わず手に取ってしまうイケてる接頭語、スーパー!

なぜ虫嫌いにわざわざ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、嫌いだからこそ、書物から学ぼうという意気です。
紙上のインクであればこちらに急接近してくることもなく、
本であるからこそ彼らとの距離を縮めることができるわけです。

タイトルページを捲ると、一度に幼虫・蛹・成虫時のクワガタの写真が飛び込んでくる本書、一瞬ヒッとなりますがそんな程度でひるんではいけません。

鳥毛虫の、心深きさましたるこそ心にくけれ

(巻頭写真頁より、3:コクワガタ、4~6:ノコギリクワガタ)

読者はスーパーテクニックを享受する前に、著者である小島さんの幼少期から執筆当時までの軌跡を16ページにわたって辿ることになります。

その内容はここでは割愛しますが、小島さんの熱量と共にうごめきつづけるクワガタムシたちの描写に感動してしまいました。

今日夏休み中の少年たちが虫取りやその飼育に熱中できているのは、「昆虫幼児」であった小島さんがいたからこそ、といっても過言ではないのでしょうか。

(5頁より、やつあたりで復讐されたスズメバチ・小島少年・コクワガタ)

今でこそ虫取り網を担いで森の中に出向しなくとも、冷房の効いた店に入れば簡単に家庭に加われるようになったクワガタムシやカブトムシですが(わたしが経験したことのあるクワガタ採集はどうぶつの森においてのみですが)、
かつてはその生態や飼育方法は謎につつまれていたようです。

しかし、本書ではクワガタムシの種類別に、その飼育の「スーパーテクニック」が丁寧に・分かりやすく解説されています。

そのうえ、記されていることはすべて小島さん本人の経験に基づくもので、写真やイラストもほとんどご自分で撮影・作成されたそうです。!

老若男女問わず、奥深きクワガタムシの世界に覚醒したい方、是非ごらんください。

くまねこ堂では、このようなマニアックな本も取り扱っております。
仕事中も、これまで考えたこともなかったような本との出会いがありたのしいです。
買取も積極的に行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。o(^o^)o

 

上村hamster_7.gif

 

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