本の紹介《アイルランド各地方の妖精譚と民話 上・下》
こんにちは!いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は少しだけですが本のご紹介をさせていただきたいと思います!
「ケルト幻想物語集(Ⅰ)アイルランド各地方の妖精譚と民話 上」
「ケルト幻想物語集(Ⅱ)アイルランド各地方の妖精譚と民話 下」
(W・B・イェイツ著/井村君江訳/月刊ペン社発行)
著者イェイツはアイルランドを代表する詩人のひとりです。イェイツは19世紀、アイルランドの民族精神を復活させるための活動を行っており、本書はその頃発行されたものです。アイルランドの民話やフォークロアを余すところなく収集した2冊となっています。
アイルランドといえば妖精のイメージが強いかもしれませんが、本書に掲載されている物語はそれだけではありません。幽霊、魔女、床若の国、巨人、取り換え子…など怪談の様な話から、いわゆる日本の妖怪に近いようなお話までそろっています。取り換え子に関しては神隠しにも似ています。
時折り、妖精たちは人間を惑わして自分の気にへ連れてゆき、その代わりに病弱な妖精の子供や木切れを置いてゆく。そうしたものは魔法をかけられているので、衰えて死んでゆく人間に見え、そのまま埋葬されてしまう。
(本文より)
ところで、日本のフォークロアを集めた怪奇文学作品『怪談』で有名な小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)はアイルランドをルーツに持っているのをご存知でしょうか?
民族は違えど、心の奥底にある恐怖心やそこからうまれた伝承は似てくるということなのでしょうか…?
この夏は怖い話の代わりに、遠い西の国に伝わるちょっと不気味なお話を読んでみるというのもいいかもしれませんね!
はつみみ