石ノ森章太郎の1960年代の作品を出品中です!
横浜市中区山手町のお宅に買取に行かせていただきました。ありがとうございます!
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今回は、『仮面ライダー』の作者、あるいは『マンガ日本経済入門』、『マンガ日本の歴史』といった一連の学習マンガの作者として知られる、石ノ森章太郎の作品のうち、珍しいと思われるものを紹介します。Wikipediaなどを通じたネットサーフィンでは概要もつかめない作品ということを目安として、下記の作品を挙げました。それら以外にも石ノ森章太郎を語る上で重要だけれどもあまり知られてない作品をご存知の方、あるいはお持ちの方がいらっしゃいましたら、本ページ下部のお電話よりご一報ください!
このたび入荷した石ノ森マンガは、1965年1月から1968年6月まで、『平凡』に連載された『気ンなるやつら』のMUSHI COMICS版(1968年刊行)です。当巻の解説を担当した尾崎秀樹は、本作品を「新しいタイプの青春まんが」と評しています。その構成について尾崎は、次のようにまとめています。
「作者石森章太郎は、まず屋根づたいにいったりきたりできる隣り同志として、山田マリ子(マリッペ)と、六村6ベエ(ダブル6)を設定する。このふたりは、おのおのひとりでありながら、カップルで表されるような仕組みになっている。6ベエ・コーナーとマリッペ・コーナーが読みすすむうちに一つになる同時進行の部分があるが、これなどは全体のイメージをはからずもしめした挿話というべきかもしれない。」
加えて、本作品の連載中に「サスペンス・まんが」との角書き(タイトル外の宣伝文句)が付されていたことについて尾崎は、『気ンなるやつら』は、かならずしもサスペンス本位ではなく、「むしろ日常性の対話に満ちたおもしろさをもっている」と述べています。この特色は、晩年の学習マンガにおける、独創的な史実とフィクションとの結合の仕方につながるように思われます(たとえば、『ドキュメント・コミック 大恐慌―世界経済の鼓動が止まる日』徳間書店、1987年)。
また『気ンなるやつら』の上記の特色との関連では、平成版仮面ライダーシリーズのある一作を思い起こさせます。「仮面ライダー555」(2003年~04年放送)は、ダブル主人公のパートがからみあい、かつ日常の珍エピソードと激しい戦闘が分かちがたく結びついた青春モノであった、と記憶しています。『気ンなるやつら』には、時代を超えて取り上げられる主題がどのように織り込まれているのだろうか、とやはり気になります。
なお、くまねこ堂では、すでに『少年同盟 1 (虫コミックス)』(全3巻セット)( https://amzn.to/2qtLO9O )を出品しています。こちらは「ニュー・ボーイ・スカウト」と銘打たれたサスペンスものです。『気ンなるやつら』とほぼ同時期の作品ですので、あわせてご購入をご検討ください!
小野坂
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