大学教授の蔵書の整理 遺品買取にうかがいました!ドストエフスキー全集、研究所、学術書、辞典、ビジネス書、画集・図録(民藝、ブレイク)など入荷しました!
哲学がご専門の元大学教授の方の遺品整理のため、東京都三鷹市におうかがいさせていただきました。ありがとうございます!
以下の画像のように、聖書、ロシア文学、経済思想、日本史の良書をお譲り頂きました。これはほんの一部です!
背表紙を見ているだけでも、興味深い組み合わせが浮かんできて、ご依頼者様の幅広い読書が想像されます。たとえば、新約聖書の『ルカによる福音書』に関する本のすぐそばに、石井一也『身の丈の経済論―ガンディー思想とその系譜』(法政大学出版局、2014年)があったことに、大変興味深く感じました。その組み合わせの妙に唸った理由を若干説明させてください。
経済思想とヨーロッパのキリスト教とは切っても切れない関係にありましたが、同時にその外側からの批判も受けることになりました。その事情について、歴史を紐解きます。1929年に端を発する世界大恐慌の傷跡が癒えない1930年代のイギリスには、資本主義の改良や、さらにはそれとは異なる経済システムの構築に向けて議論していた「キリスト教左派グループ」という団体がありました。その中の中心人物の一人であったロンドン経済学校教授のリチャード・トーニーは、『ルカによる福音書』に出てくる「しかし、それだけではない」という言葉を座右の銘にしていたといわれています。当時のイギリスの社会主義者や修正資本主義者は、西ヨーロッパの政治や経済の在り方を問い直すために、ロシアと中国で起きた革命や国際共産主義運動を手放しで肯定できなくとも、その成果を学び取ろうとしていました。そうした環境のなかで「しかし、それだけではない」との言葉がクローズアップされたのです。
その上で、インドの独立運動指導者のガンディーが、宗主国イギリスの「キリスト教左派グループ」以上に資本主義の根底を抉る思想を展開していきました。とりわけ、イギリスの社会主義や民主主義には、それ自体が植民地支配を前提として成り立っている側面がありました。この問題を正面から取り上げたのが、ガンディーといえましょう。以上は、お譲り頂いたご書籍のほんの一端の紹介に過ぎませんが、その広がりを感じ取っていただけたら幸いです。
この場で紹介しきれなかった、哲学全集(ヘーゲル、プラトン)、ドストエフスキー全集、柳宗悦全集、研究書、学術書、辞典、ビジネス書、車のカタログ、画集・図録(民藝、ブレイク)など、多くのジャンルの書籍も順次出品してまいります。硬派な分野から、日常のお仕事ハウツーまで、皆さまの幅広い読書をお支えできたら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします!
小野坂
お問合わせ・買取のご依頼
お問合わせ・ご相談は無料です。お気軽にお問合せ下さい。