買取り品紹介:1956年刊の岩波写真文庫、岩波書店編集部編『家庭の電気ー実際知識―』
わたしたちの生活に電化製品は欠かせないものとなっています。今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日々の活動をできるだけオンライン化すべく、各方面で試行錯誤が続けられています。たとえば、オンライン講義が今学期から始まる大学もあるわけです。これは受講する学生にとっては、遅刻の心配が軽減され、配信方法によっては巻き戻しも可能になりますから、大変ありがたいことでしょう。
学生諸君は、これまでの寝ぼけ眼ではなく、真面目に受講するに違いありません(( ゚Д゚))。
ところで、ネット環境どころか、家電や乗物ですら、どのような原理で動くのか、それはどのように製造されているのか、もはや日常感覚では理解するのが難しい水準で日々技術革新が起きています。これら製品は日々の暮らしに密接に関わっているはずなのですが、通信技術の4Gと5Gの違いは何か、あるいは電気自動車を製造するために必要なレアメタルの原石はどれほどの重さになるのか、などとっさの答えに窮する質問が次々浮かびます。こんな話題を持ち出したのも、新型コロナウイルスの感染予防をきっかけに、わたしたちの生活様式を再検討する必要に迫られていると考えているからです。しかしながら、そもそも日々の暮らしがどのように成り立っているのか、わたしたちは十分な知識を持っているといえるでしょうか。
そこで、遠回りのような感じがしますが、歴史を振り返る必要があります。わたしたちの生活に電化製品が欠かせなくなったのはいつからなのか、そして電化製品はどのようにわたしたちの生活に定着していったのか、という疑問から入っていきながら、現在のわたしたちの暮らしのあり方を考えていくことができるかもしれません。
そこで紹介したいのが、以前の買取依頼でお譲りいただきました、下記画像の本です。
これは、岩波書店編集部編『家庭の電気ー実際知識―』岩波写真文庫190(岩波書店、1956年)です。
本書冒頭、「日本では一般家庭のほとんど百%に電気が送られている」のに「電気ほどそれに対する無知ゆえに怖れられ、また無知であるためにその危険に気づかぬものは少い」とあります。日常生活でありふれたものなのに、それについての知識に乏しいというのは、どの時代にもあることのようです。だからなのか、次の写真は、入浴中にスイッチやコードをさわると感電することを警告したものですが、人形の感じがACジャパン風で若干コワい雰囲気を醸しています。
このAC風人形を眺めていて、電化製品の導入にあたってどんな悲(喜)劇があったのかと空想してしまいました。もしかすると、そこでのトラブルがわたしたちの生活を問い直す上で意外にも重要なヒントになるのかもしれません。
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小野坂
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