ちょうど100年前の『婦人画報』が入荷しました!~当時のおしゃれと実用
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店主が古い雑誌を整理していたところ、以下の雑誌が見つかりました。
『婦人画報』第192号(1921年12月)です。『婦人画報』は現在のハースト婦人画報社が発行する1905年以来の歴史がある生活情報誌です。同誌は現存する日本最古の女性誌であり、最新号(2020年12月発行)でも「薬膳、スパイス、厳選スープを駆使して元気になる!養生鍋レシピ」など、おしゃれで実用的な特集を発信し続けてきました。
それでは、今回発見したちょうど100年前の『婦人画報』に即して、当時のおしゃれ情報、あるいは実用的な発信をたどっていきましょう。
巻頭のビジュアルでは、後の昭和天皇、裕仁皇太子をはじめとする皇室、公爵家など華族の諸式典参列の風景が多様されています。おしゃれな情報が皇室・華族と結びついていた当時の雰囲気がうかがえます。
実用情報ということであれば、健康や保健衛生に関するものを見逃すことはできないでしょう。まして、1919年~1920年にかけての冬に大流行したインフルエンザが記憶に新しい1921年であればなおさらです。
例えば、こんな記事がありました。以下に掲げた画像は、「近頃国防といふ問題がやまかしいやうであるが、国防の根本は、国民の健康と教育にあると思ふ」と切り出された、近藤乾郎(医学博士)「若い婦人の肺結核」です。ここでは、昨年のインフルエンザの流行もふれられています。「インフルエンザ」とのカタカナ表記もすでに定着していたようです。
とはいえ、近藤が主題としたのは、一過性の流行と思しきインフルエンザよりも、もはや国民病と化した「最も恐るべき」肺結核に対する注意を促すことでした。ヨーロッパでは第一次世界大戦(1914-1918年)やその後の経済的混乱を理由とした肺結核患者の増加が見られたのに対し、日本では大戦以前から年々罹患者が増加傾向をたどっていることに、近藤は警鐘を鳴らします。この近藤の記事からは、疾病に関する実用的な発信が国防問題に当然のように結びついていく、この時代の一面が浮かび上がってきます。
近年の歴史学では、政治や外交を考える際でも、文化的な要因や、社会生活に由来する要因に注意を払う傾向にあります。とりわけ、総力戦としての第一次世界大戦の衝撃に注目が集まっています。そうした方々にとっては、この近藤の言説はなじみあるものと映るかもしれません。一方で、個々人の日々の生活と国家間の国防問題とが直結してしまう磁場というか、システムの作動を解明するためには、専門家的な先入観をいったん脇に置いて、素直に驚くということも必要なのではないか、とも思います。
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小野坂
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