関東大震災を描いた画家「徳永仁臣」をご存知ですか?
こんにちは。いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。
近頃は梅雨なのかしばしば雨に遭遇します。衣服や荷物などが濡れてしまうこともよくありますが、気温が下がって個人的には過ごしやすくもあります。皆さんは雨はあまりお好きではありませんか?
さて、今回ご紹介申し上げますのは日本史上最大の災害とも呼ばれる関東大震災を描いた画家「徳永仁臣(画号:柳洲[りゅうしゅう])」を扱った書籍です。
この表紙に取り上げられている絵は「当夜の永代橋」という題が付せられており、大正12年(1923年)9月1日正午前からのべつ幕なしに続く大地震の最中、夥しい人々が大量の家財道具を抱えて、家々の燃えている日本橋・深川の両方面から永代橋に押し寄せて、黒煙が天を覆い、剰え街から迫り来る炎が群衆の家財道具に燃え移り、焔が轟轟とその勢いを倍加して大勢の避難者に襲い掛かっているなんとも凄惨限りない光景を描いたものです。永代橋は真ん中から燃え崩れ、逃げ場を失った人々が決死の様相で欄干を乗り越えて隅田川に飛び込んで(はたまた落ちて)いるさまが、暗くて見えにくいとは思いますが、わかります。川中の人々は、崩れ落ちた橋の木片にしがみついています。また、左上には蓬々と立ち上る黒煙の切れ間から望月が覗いています。
他にあと一つ、絵をご紹介しようと思います。
「宮城前避難バラック」と題されたこちらの絵は、題の通りバラックを描いたもので、震災後、自宅を失った人々はこのようにバラックを建てて風雨を凌いでいたそうです。政府はまだ生存者の救出・焼け跡や遺体の処理に手を焼いていて、被災者への住居の提供まではとても手が回りませんでした。バラックの群がる集落のようなところでは治安が悪く、また、トイレも十分には備えられていなかったため、衛生面も劣悪であったため、伝染病も発生していたそうです。震災を何とか生き残ってもすぐに平穏が訪れるわけではなく、地震や火災とはまた異なる苦痛に耐えなければなりませんでした。
今回ご紹介した本はいかがだったでしょうか。この本にはこれら以外にも、徳永仁臣さんの描いた作品が30点程ございますので、興味のある方は是非読んでみてください。
この度、出張買取で神奈川県横浜市のお客様より仏教、宗教、哲学、中村天風、鈴木大拙、山田無文、和尚、道元などについての本をお譲りいただきました。ありがとうございます。
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以上、拙文お読みいただきありがとうございました。
赤尾
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