【新刊書は積極買取】伊藤和夫『新版 ルールとパターンの英文解釈』(研究社、2018年)を紹介します
いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。
くまねこ堂では、新刊書の買取につきまして、価格保証を設けております。くわしくは弊社ホームページの冒頭のバナーをご覧ください。
※くまねこ堂( https://www.kumanekodou.com/ )
今回は、英文解釈についての、最近の本を紹介します。
伊藤和夫『新版 ルールとパターンの英文解釈』(研究社、2018年)です。
本書は、英文の構造を理解するための「パターン」を提示している点に特色があります。著者自身の言葉によれば、次のようなことを目指した本とのことです。
「高校に入ると英語が急に難しくなり、中学では英語が得意科目だったはずの多くの学生がそこで脱落すると私は言いました。唯一ではありませんがその最大の原因は、この従属節と主節の複雑な絡み合いに学生がついていけなくなるところにあるので、このもつれを解きほぐすための方法を提供することを、私はこの本の最大の目標にしたいと思っています。」
この文は、
I have said that once students enter high school, English suddenly becomes more difficult, and many students who would have excelled in English in middle school drop out there. The main, though not the only, cause of this is that students have trouble keeping up with this complex tangle of subordinate and main clauses, and I want to make it my main goal of this book to provide a way to untangle this tangle.
Translated with www.DeepL.com/Translator (free version)
…となります。著者の日本語を上記の翻訳サイトで英文にしてみました。一見して、著者の日本語文が、わりと英文の構造に一致しているように思われたからです。せっかくなので、翻訳サイト英文を確認してみましょう。一文目では、まず、「私は言いました」と切り出して、onceで高校に入学したという(場所と時間)にふれ、コンマで(その時)について、英語が難しくなるのだと修飾しています。その上で、andと続いていくわけです。ここからがこの文の本題となります。それ以前の部分は、場所、時間、そこで起きたことを、伝えたいことを述べる前に説明していたわけです。高校に入って英語が難しくなった時、どうなるのか。このことが著者の伝えたい内容になります。まず、多くの学生について、どんな学生なのか who would have excelled in English in middle schoolで説明しているわけです。「得意だった」、は現在完了形でhave excelledで、「はず」はwillで「~だろう」と推測して、その過去形wouldが入ります。そのような学生が「脱落する」drop outわけですが、どこから脱落するのかと言えば、thereからなのです。そことは冒頭で示された、高校で英語を勉強しているときだ、ということになります。
つまり、一文目は、まず「私は言いました」と宣言してから、前置詞から始まる場所や時を表す部分につなぎ、そこで何が起きたのか説明してから、多くの学生がそこから脱落する、と主たる内容を述べているわけです。多くの学生についての説明は直後のwhoから動詞のdropの前までに示されています。
二文目では、後半部分に、私が求める最大のゴールがあって、ofからどんな本となるのかということを説明しています。前半部分は「~ので」にあたる部分となっています。二文目は、著者の言うところの、従属節が主節の前に出た、[S+V]S+Vというパターンを用いた文です。
[S+V]S+Vパターンは、たとえば、こんなところに出てきます。
「シャイニングホッパー!When I shine, darkness fades.」(飛電或人が「飛電ゼロワンドライバー」と「シャイニングホッパープログライズキー」を用いて変身した際の、アナウンス)
従属節で、いつなのかについて「俺が輝くとき」とぶち上げて、闇が消え去る、という主節がきます。これが、「あらゆる状況を予測し、最適な攻撃パターンを瞬時に算出することが可能」なシャイニングポッパーの決め台詞です。
※仮面ライダー図鑑
https://www.kamen-rider-official.com/zukan/forms/621
▲同書9ページ。「光のありがたさ」
私の英会話になると、もっと付け焼き刃のインチキ感が出てきます。まず、ネイティブスピーカー同士のスムーズな会話に割って入るのですから、皆さんの会話を止めることから始めます。It was amazing!とわめいて、わかりやすく意思表示します。そこから…when I recognized that などとつなげて、~だとわかったときは驚きましたという文にします。とはいえ、一応これは、著者の言うパターンでは、主節の後に従属節を含む従属節を続ける、S+V [S+V (S+V)]にあてはまりますので、苦し紛れの私の作戦もある程度うまくいったのではないか、と思っています。
小野坂