『【新装版】陶磁器染付文様事典』三杉隆敏、榊原昭二(柏書房、1998年)のご紹介
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今回は、最近入荷した下記の書籍を紹介していきます。
三杉隆敏、榊原昭二『【新装版】陶磁器染付文様事典』(柏書房、1998年)です。
まず表紙のデザインの良さが目を引きます。カバーの内側も青と白を基調とした美しく本格的な装丁になっています。
同書についてアマゾンページで検索してみると
染付というから、日本の陶磁器の文様かと思ったら中国の青花のだったから、ちょっと期待外れでした。
というコメントがありました。
そうですね、この本は中国の染付のみに絞った文様図鑑です。確かに間違えてしまうのも仕方ないかもしれませんが、この方にはそう残念がらずにいてもらいたいです。
というのも日本の陶磁器や、世界にも大きな影響を与えたのがこの中国の陶磁器だからです。
染付とは白地に青い顔料で絵文様を描き、透明な釉薬をかけてから1300度前後の高温で焼き上げた磁器のことです。この高温で焼き上げるのが重要で、これによって磁器特有のガラスかあるいは金属のような特有の質感に仕上がるそうです。一方で低温(800℃~1200℃程度)で焼くと厚手で重い陶器になります。
ヨーロッパでまだ高温で焼ける窯が存在しなかった頃、この中国の磁器は珍しく、またなにより美しく、ヨーロッパや日本をはじめ世界中がそれを欲しがりました。
その後ヨーロッパで初めて作ることに成功した高温窯はあのマイセンの窯でした。そして今では日本でも人気の高いロイヤルコペンハーゲンをはじめヨーロッパでも陶磁器は有名なものが作られるようになりました。
日本でも同じように中国の影響で、伊万里焼など世界に誇れる焼物技術が発達しました。
そのような世界で参考とされてきた染付の文様が基本パターンから、自然界にモチーフを得たものなど、千点ほどが分かりやすく分類されています。骨董を扱う専門のお仕事の方にとっても、目利きの修練になるような本ではないかと思います。
小野
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