文庫本の時代について【皆様、今年もありがとうございました!】
前回も1970年代の文庫本ブームについて簡単に触れました。
米倉斉加年さんが表紙絵を描かれている、夢野久作さんの作品についてでした。
高校三年生のセンター試験直前、もう勉強してもしかたがない。国語の試験にでるかもしれないからと、村上龍、村上春樹の処女作を渡してきた友達がいました。彼が夢野久作の『ドグラ・マグラ』を愛読書にしてたことを思い出します。
『ドグラ・マグラ』の有名な表紙絵も、当然というか米倉斉加年が手がけています。
共通一次試験が近づいて参りました。こんな追い込み方もあるので参考にしてみてはいかがでしょうか。
本題に戻りますが、黒い装丁がかっこいい角川文庫は推理小説や怪奇小説で有名です。特に角川文庫は本の背が白い、いわゆる「白背」と呼ばれるものに初版本が多いため価値が上がっております。
推理とSFというのはなんとなく親戚のような感じで扱われますが創元推理文庫、ハヤカワSF文庫、サンリオSF文庫というのも有名どころです。
こういったものはやはり文学という堅いイメージよりもカジュアルなイメージがあります。あまり腰を据えて読まない。片手間に、移動中に読むというような状況とポケットサイズの文庫本は相性が良かったのでしょう。
さらに年代はさかのぼりますが「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」などまさにといった感じでしょう。
サンリオSF文庫については、あのシナモロールのサンリオさんが78年から10年間ほど作っていた文庫シリーズです。そんな理由で流通量が少ない分、価値がございます。
右にずらりと岩波文庫、昔はカバーなしの裸本だったのですね。現在のようなカバーがつけられたのは1983年以降のことなのだそうです。
引き続き、右から創元推理、サンリオ、そして秋元文庫がございます。「ライトノベル」と呼ばれているジュニア小説の多くは、文庫の形で出ていますが、その始まりは1973年の秋元文庫と言われています。
装丁には飾り気のない自然なさわやかさが感じられます。自分にも十六才があったなんて信じられません。秋元文庫を読んでみたい気持ちになってきました。
この頃から文庫書き下ろしの形式をとっており、特に近年この手法が広がっているらしいです。僕が最近購入した村上春樹訳『フラニーとズーイ』(2014年、新潮社)もいきなり文庫として出版されたものだったそうです。たしかに文庫にしては装丁が豪華に感じられて、つい買ってしまいました。
ではお読みになってくださった方、くまねこ堂にご依頼くださったり、本を買ってくださったお客様の皆様、本年は大変お世話になりました。ありがとうございました!
来年も引き続き精進してまいります。よろしくお願いいたします。
なにかと疲れる世の中ですが、年の瀬は猫のようにのんびりとしてよいお年をお迎えください。
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小野
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