語ることの力ー完全朗読版「平家物語」(全29枚) [新潮CD]ご紹介ー
春は生活に変化が訪れる季節ですね。
10年前、自分も東京の街に出てきました。
10年経っても、あい変わらずわけの解らない事言ってます。
恥ずかしいことばかりです。
皆さまはいかがですか。
去年の春頃、アニメ映画「犬王」が公開されました。古川日出男の「平家物語 犬王の巻」を原作として、湯浅政明が監督をしています。伝説の能楽師として名前は残っているものの、どのような人物であったのかは不明である「犬王」という人物に関しての物語です。
犬王とバディとなるのは琵琶法師の友魚であって、作品は、彼が語った犬王の物語であるという構造になっていました。
作中、友魚が語ることで自分たちがここにあることを示そうとするのに対されていたのが、覚一の平家物語が筆記されて、将軍により正本とされることであったと自分は記憶しています。それが印象的でした。
語ることによる場に発生する力というものがある、そのことが意識される作品であったと思います。
平家物語は我々は教科書で必ず触れますが、お利口さんをして勉強として読むだけでは体験しえないものが、物語には常に秘められているはずで、それを感じられる一手段として「語られること」はあるように思います。
前置きが長くなりましたが、そんなわけで今回は以下のCDをご紹介してみたいと思います。
完全朗読版「平家物語」(全29枚) [新潮CD] です。
我々は語られる時は、語り手と時間と空間を共有することになります。CDであっても、一時停止やスキップなどをしない限り、部分的ではありますが、それは発生するでしょう。本を黙読するのでは時間も空間も読者の側にあるが、語られるならこちらは向こうの時間と空間に身を任せることになるのです。
教科書で読んだ平家物語とは違う印象を抱くかもしれません。もちろん、当時琵琶法師が語ったものと、現代に朗読(!)されたものは別ものでしょうが、何か一歩そこに近づけるような気もする。
語りとは何なのか、映画「犬王」を観た時にはよく考えました。今もわからないけれど、今回ご紹介したCDなど様々なものに触れながら、引き続き考えていきたいと思います。
今年の夏は暑くなるのでしょうか。その頃も私はまだ東京にいるはずです。こんな歳になっても、あい変わらず季節に敏感にいれるのなら、ありがたく思います。
本日はくるりの「東京」を思い浮かべつつ、映画「犬王」の感動を回顧しながら、完全朗読版「平家物語」(全29枚) [新潮CD]をご紹介しました。
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本日もお読みくださりありがとうございました。
コトー
参考:「犬王」公式サイト:https://inuoh-anime.com/
くるり公式サイト:https://www.quruli.net/
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