ハンナ・アーレント『新版 エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』大久保和郎訳(みすず書房、2017年)が入荷しました
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今回は、最近入荷した本との関連で、以前の投稿を再度告知したいと思います。
入荷したのは、下記の本です。
ハンナ・アーレント『新版 エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』大久保和郎訳(みすず書房、2017年)です。同書は、ナチ・ドイツによるユダヤ人虐殺の責任者の一人のアイヒマンについての著作として知られ、近年、新訳、新解説付きの新版が刊行されています。アーレントの言葉として「陳腐な悪」、あるいは「凡庸な悪」が引用されることは珍しくありません。しかし、その中には「陳腐」「凡庸」「悪」の一般的なイメージに引きずられて、アーレントが著書で述べたこととはあまり関係がない、場合によっては誤用に近い例も見受けられるように思われます。
それでは、アーレントが戒めた「まったく思考していない」有様に、アーレントを引用して陥っているのではありませんか。
そこで、関連書籍として、ロバート・N・プロクター『健康帝国ナチス』宮崎尊訳(草思社文庫、2015年)を紹介したいと思います。プロクターは「無責任な純粋さ」がもたらした問題を直視すべく、ナチ・ドイツの歴史に対する思い込みを取り外そうとしています。こうした思い込みの取り外しは、むろんナチ・ドイツの免責とはなり得ません。その上でプロクターが、「無責任な純粋さ」の解明にあたって、どのような課題を設定したのか、ということを若干なりとも以前紹介したことがあります。
※ロバート・N・プロクター『健康帝国ナチス』宮崎尊訳(草思社文庫、2015年)が入荷しました~「無責任な純粋さ」と「死への欲望」(くまねこ堂古書ブログ、2023年3月12日)
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