暑い夏に怪談はいかが―大迫純一「あやかし通信」紹介―
ついに8月ですね。暑いという言葉しか出てきません。これだけ気温も湿度も高いと自分も溶けてなくなっていくのではないかという感覚になります。
皆さまもご体調にお気をつけてお過ごしください。
先日は高崎市に出張買取へ伺いました。高崎は自分が実家に鈍行で帰る時に、オレンジの電車の終点として認識していました。ビルや工場がたくさんの街のイメージです。
さて、夏といえば、海や山や花火…そして怪談!なのではないでしょうか。今日は暑い季節にぴったりの怪談の本を紹介いたします。大迫純一「あやかし通信」(実業之日本社・平成3年)。
この本には9の話が収録されているようです。なぜ9つかということは、袖に記載があります。9に1つを足すと10になり、99に1つ足すと100になる。つまり、「九とは、今の段階から次の段階へと進んでしまう一歩手前、なのである」とのことです。だからその数は、異界への扉をもう少しで開くところまで、あなたを連れていくのですね。百物語をするなら、その最後の蠟燭を消した時に何かが起こるとよく聞きます。この本にあるのは9つの話であるから、読み終わってもまだ異界には行かないところで留まれるはずです、きっと。
言語化することは形のないものに形を与える行為であり、それができると自分の手に負えない感情や衝動を手懐けることができます。しかし、恐怖を覚えたことを言語化し、自分が認識し扱えるようにしようとすると、その言葉がさらに別の何かを呼び寄せ、自分をここからどこかへ連れて行ってしまうこともある。百物語の結末はそういうことを示します。怪談とそれによって起こることは、人間の言語による世界支配の限界をまざまざと見せつけるようで、興味深いです。
暑くて出かける気にもなれない日、どこへも行けず家に引きこもってしまう日、この本を開いて別世界の一歩手前まで行ってみるのはいかがでしょうか。
ちなみにこの本はページの角にぱらぱら漫画がついています。黒猫が走り抜けていきます。読み進めたのを逆行する形で猫は走ります。猫は異界の扉の前まで行って、逃げ帰ってきたのでしょうか…。我々もちゃんとこの世界に戻らなければ…。
以上、大迫純一「あやかし通信」の紹介でした。
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