生みの苦しみとひらめきとー映画「耳をすませば」と主題歌「カントリー・ロード」についてーCD「スタジオジブリの歌」ご紹介ー

春みたいな暖かさの日がありました。今日が何月何日なのか、よくわからなくなります。毎日は繰り返されて、私は現実感覚を失っていくのでしょう。

本日は以下のCDをご紹介したいと思います。「スタジオジブリの歌」(2008年徳間ジャパンコミュニケーションズ)です。

ジブリ 主題歌

「崖の上のポニョ」までのスタジオジブリの主題歌、26曲が収録されています。

「耳をすませば」の「カントリー・ロード」も入っています。「コンクリート・ロードはやめたほうがいいと思うぜ」ですね。
「やなやつ、やなやつ、やなやつ…!」

自分の家にはジブリのVHS(DVDではない!)がたくさんありましたが、「耳をすませば」は特に何度も観ました。「耳をすませば」のビデオだけは、ボロボロになっていました。
自分も本が好きで図書館に通い詰めていたので、雫に自分を重ね合わせていた部分があったのでしょう。

自分が高校生になった時には、ついに自分は雫よりも歳をとってしまったと思った記憶があります。
自分の表現をすること、何かを生み出したいという心を持った人と出会うこと、そしてお互いを尊重しながら生きていくこと。幼い自分はそんな物語に憧れました。
しかし自分は雫のように何かを書いたりしなかったし、聖司も現れないまま、歳をとり続けています。私は雫にはなれなかったのです。物語と現実は別でした。

でも、雫が書けないまま早朝まで起きていて机から気力を失いながら崩れるところなど、作品にはたくさんの共感が今でもあります。自分は書かないけれど、雫の感覚はわかるような気がしています。雫が倒れ伏す場面は好きです。活発な雫の暗部がわかるし、何かを作ることは人をそのようにしてしまうことを示しています。

そして、完成した後にバロンのお爺さんに見せて、そこでうどんを食べる場面も好きです。自分の作ったものを、どのような評価であれ誰かが読んでくれること、それは本当に嬉しいことだし救いだということが、よくわかる場面です。雫を思い出して、自分もうどんを食べたくなることがあります。

自分の過去の話ばかりしてしまいましたが、皆さまも、「耳をすませば」を観ると、自分の思春期を様々思い出すのではないでしょうか。テレビでも何度も放映されるので、大人になって改めて観る機会も多いです。観る人それぞれに、感じさせるもののある作品だと思います。

さて今回、「スタジオジブリの歌」のCDをご紹介するにあたり、「カントリー・ロード」について少し調べてみました。
自分はこれまで全く知らなかったのですが、こちらは「日本語訳詩/鈴木麻実子 補作/宮崎駿」となっています。

鈴木麻実子氏はスタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫氏の娘さんだということです。「カントリー・ロード」の訳を作った時のエピソードが、ちくまweb「鈴木家の箱」「カントリーロードが生まれた日」(2022年10月13日更新)に書かれていました。(2023年12月12日最終閲覧)

これによれば、当時雫と同い歳くらいであった麻実子氏が父親に頼まれて、「カントリー・ロード」の訳詞をしたそうです。しかも、その仕事をずっと放置していて、締切の日に父に急かされて思いついたものがあの「カントリー・ロード」であったとのこと。「たった5分くらいの出来事だった。突然情景が浮かんで、一気に歌詞ができたのだ。」と記事にはあります。

あの訳は、少女であった麻実子氏に、天から降ってきたような言葉であったのですね。そうなるようにしかならない、そんなことがあるんだなあと、記事を読んでどきどきしました。雫は作品を書くにあたりかなり苦しんでいたけれど、麻実子氏の訳詞は、ひらめきによってするっとできたものであったのだなあと思うと、なかなか面白いです。

ちなみに、「コンクリート・ロード」は宮崎駿氏が訳したものだということも記事には書かれていました。そうだったのか…!

「カントリー・ロード」は何度も聴いてきたけれど、この話は初めて知りました。雫と同じくらいの歳の方作った訳なのだと思うと、印象もまた違ってくる気がします。また改めて、聴いてみたくなりました。そして、「耳をすませば」ももう一度観てみたいと思います。

本日はCD「スタジオジブリの歌」(2008年徳間ジャパンコミュニケーションズ)をご紹介し、映画「耳をすませば」とその主題歌「カントリー・ロード」についてお話してみました。

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参考:ちくまweb「鈴木家の箱」「カントリーロードが生まれた日」
https://www.webchikuma.jp/articles/-/2902?page=3

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