「神護寺―空海と真言密教のはじまり」のご案内です
今回ご紹介するのは、現在、上野の東京博物館で開催中の「神護寺―空海と真言密教のはじまり」です。平安時代の僧、空海と、彼が中国から日本へと伝えた真言密教に関する展示が主となっています。
と、本当にさわりだけの大まかな説明を書きましたが、僕は空海や密教に関して全然詳しくないのです。高校の頃は世界史選択だったし、芸術は好きだけど詳しいのは西洋の近現代美術くらいだし。自分に書けることがあるのだろうか……
というわけで先日、行ってきました。
展覧会は全部で5章に分かれており、第1章にて空海が日本に密教を伝えた流れや、空海と神護寺、弟子の最澄らとの関係などが詳しく解説されているため、仏教や日本史に明るくない自分も十分楽しめました。
展覧会のメインビジュアルでもある薬師如来像は寺外初公開となっており、その存在感と荘厳さに圧倒されました。他にも国宝や重要文化財に指定されている物品が数多く展示されており、満足度は抜群です。
そんな今回の神護寺展を見て回り、写真撮影は一部を除いて禁止だったため文章のみとなりますが、自分が特に印象に残った展示を、2点紹介いたします。
まず一点目は、第1章第2節にて展示されている「両界曼荼羅(高雄曼陀羅)」。密教の世界観を図示した4メートル四方の巨大な曼陀羅です。空海在世時に制作された本作は、江戸時代以来230年ぶりの修理を経て展示に至っています。2016年に修復作業が始まり、6年かけて修理がなされたものだそう。巨大な掛軸に繊細に描かれた密教の宇宙観。映像での解説もございますので、そちらと併せて、密教の世界を味わってください。図像がとても細かいため、単眼鏡などを持っていくのもおすすめです。
そして2点目は第5章にて展示されている「十二神将立像」。仏教において仏と信者を護るとされる12の神将の立像です。大きさ自体はそこまで大きくなく、単体で見れば前述の薬師如来像のほうが存在感や感動は強いのですが(そりゃそうなんだけど)、12体の像がずらりと並ぶ様は圧巻です。下からのライティングでそれぞれの後に大きく影ができていたのも相まって、自分は最も神々しさと感動を覚えました。
今回紹介した「神護寺―空海と真言密教のはじまり」は、上野、東京国立博物館にて、9月8日までの会期で開催中です。ぜひ、暑い夏に涼しい美術館で、密教の遥かなる歴史に触れてみては如何でしょうか。
公式HP:http://tsumugu.yomiuri.co.jp/jingoji/
公式X(旧Twitter): @jingoji2024
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キタムラ