神奈川県横浜市港南区で、『新美術』(1943年)をお譲りいただきました

神奈川県横浜市港南区で【『新美術』第18号、1943(昭和18)年1月号、春鳥會】

をお譲りいただきました!古書シリーズ第4弾ですヾ(。>v<。)ノ゙*。

Goya

 

『新美術』は、『みづゑ』(1905年創刊)の継続後誌として、1941-43年に刊行されていた美術雑誌です。(1944年に『美術』と改題、1946年に『みづゑ』復刊。)

1943年1月号では「ゴヤ特集」が組まれています。

スペインの巨匠フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828年)について、カラーの原色版6点、単色のオフセット版16点、白黒の別刷写真版40点と、豊富な図版:hoshi1:とともに紹介されています。

『黄色の肩掛をした婦人』

《黄色の肩掛をした婦人》

Goya

「デツサン集」より

Goya

(上)《サン・イシドロの巡礼の幻想》
(下)《スープを啜る老人達》

1943年といえば、日本軍は2月にガダルカナル島から撤退、5月にはアッツ島で玉砕し、太平洋戦争においてはじめて日本の敗北が国民に知らされた年です。戦況は相当悪化しているイメージがありましたが、まだこのような充実した美術雑誌が流通していたのですね。

大半は白黒図版ですが、ゴヤは比較的、白黒でも良さが伝わりやすい作家かな~(゜▽゜*)という気がします。

先日、同時期の雑誌で「ルノワール特集」を見ましたが、ルノワールのように豊穣な色彩が持ち味の作家の場合、白黒図版だとどうしても地味でさえない印象になっていました:ase1:

一方ゴヤの場合、たとえば晩年の《サン・イシードロへの巡礼》(プラド美術館蔵、本書では《サン・イシドロの巡礼の幻想》、上掲写真)のような陰鬱で不気味な作品については、白黒でもその雰囲気が十分に伝わってくるように思います。

西洋美術が日本でどのように受容されてきたのか、当時の状況を伝える貴重な史料ですね:hoshi1::hoshi1:お譲りいただきありがとうございました!

 

Byクラニャン

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