東京都港区三田で、『ガレとラリックのジャポニスム (別冊太陽)』をお譲りいただきました
東京都港区三田で、『ガレとラリックのジャポニスム (別冊太陽)』をお譲りいただきました!
リピーターのお客さまシリーズ第4弾、こちらも新刊です
【山根郁信(編)『ガレとラリックのジャポニスム (別冊太陽)』、平凡社、2016年】
東京ではこの夏、「オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ」展(2016年6月29日~8月28日@サントリー美術館)と、「アール・ヌーヴォーの装飾器」展(同7月6日~8月31日@三井記念美術館)が開催され、アール・ヌーヴォーのガラスや陶磁器に注目が集まっていました。
私も両方見に行き、「実はあんまり好みじゃない…」という想いをあらたにしながらも、面白い発見がいくつかありました。
そのひとつが、「エミール・ガレ」展に出品されていた、彫漆の技法を模倣したガラス器。同じものではありませんが、本書に掲載された作品を見てみましょう。
↓こちらのガレ作《牛血紅色旋風文花器》(1895年頃、ナンシー派美術館蔵)は…
↓《朱漆塗彫漆屈輪香合》(明時代中国、真田宝物館蔵)のような作品にみられる、彫漆の技法を学んだ成果と言われています。
彫漆とは、器物の表面に何度も漆を塗り重ねて厚みを出し、刀で削り取ることで浮き彫り文様をあらわす中国起源の漆工技法。朱漆を用いた堆朱、黒漆を用いた堆黒が代表的で、東京国立博物館の東洋館などで見ることができます。
渦巻き状の文様(屈輪文)をもつ堆朱で、「朱屈輪」と呼ばれる本作。力強く彫り込まれた曲線は、不思議な生命力をたたえています。
ガレの花器の表面も、深くシャープに彫り込まれており、なかなか迫力を感じられるのではないでしょうか。
ガレは日本や中国、イスラム圏で生み出されたありとあらゆる工芸品を参照し、どん欲に自分の作品に採り入れていきました。個人的には、その試みが成功しているのか疑問に思う作品もありますが、このような斬新で異国情緒あふれる作品が、当時のヨーロッパの人びとを魅了したことは興味深いですね(o^▽^o)
By クラニャン
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