買取事例
埼玉県川越市にて、物理学、数学、理工書、学術書、専門書、哲学、映画、サブカル本の買い取りでご用命を賜りました
本日紹介させていただきますのは、ディック・ブルーナの関連書籍です。
そう、かの有名な「ミッフィー」の生みの親です!
ディック・ブルーナは1927年生まれのオランダ出身の絵本作家。
幼少期より画集を読み漁る中でオランダ絵画の巨匠・レンブラントやゴッホの作品に触れ、しだいにアーティストを志すようになったようです。
戦争の後、画家になることを決意しますが父と対立してしまいます。出版社の経営者である父は息子を後継者にしたかったんですね。
で、結局、出版社の後継者としてきちんと修行することを条件に画家の夢を追うことを許され、出版社の装丁家としてミステリー小説などの表紙デザインを制作し名声と経験を積んでいきました。父の会社をたいそう嫌っていたようですが、ここで腐らなかったのはエラい。
そして1955年、ブルーナは息子のためにずんぐりむっくりのウサギを描きます。
うさぎの名は「ナインチェ」。後に「うさこちゃん」「ミッフィー」と呼ばれるキャラクターの誕生です。
以降、独立したブルーナは福祉関係のポスターやデザインを手掛け、オランダを代表するデザイナーとなっていったのでした。
実はミッフィー、年を経るごとに微妙にマイナーチェンジされてたりします。
耳が丸くなったり、目と口のバランスが変わったり、線が微妙に太くなったり…。
でもどの時代のミッフィーも、手作りのやさしさと完璧に決まったバランスは外さずに兼ね備えています。
ファインアートとデザインそれぞれのセンスが融合したキャラクター、それがミッフィーなんですね。
そんなミッフィーも2015年に誕生60周年を迎え、日本の各地で巡回展が行われました。
大人も子供も、おねーさんにも愛されるミッフィー。
これからも、世界に子供がいるかぎり永遠に愛され続けることでしょう。
フジタン
実用書、ビジネス書、DVD、落語CD、クラシックCD、コミックセットをお譲りいただきました:千葉県市川市市川&松戸市上矢切
本日は買取品の中から、CD「越路吹雪トリビュートアルバム サントワマミー*宝塚大劇場で歌う」をご紹介したいと思います。
何故このタイミングで越路吹雪(こしじ・ふぶき)さんかと申しますと、もうお分かりかと思いますが…テレビ朝日で放送される新たなドラマが「越路吹雪物語」と決定し、放送が開始されたからでございます!
帯ドラマ劇場『越路吹雪物語』|テレビ朝日
先日には梅田芸術劇場にて越路吹雪さんを偲ぶコンサートも開催されて大盛況だったそうです!!
出演者は宝塚歌劇OGの面々で、なんとツレちゃん(鳳蘭さん)が出演されたとのこと。
実をいいますと私は長年のコーちゃん(越路吹雪さんの愛称)および宝塚歌劇のファンでございますので、是非とも観覧したかったのですが、なにしろ大阪は遠くて…断念せざるを得ませんでした。。
昨年はコーちゃんの没後35年記念コンサートが日生劇場で開催されましたが、大変感動的なコンサートで、私がビックリしたのは出演者として名前を連ねておられなかった雪村いづみさんが突如として舞台に登場し「愛の讃歌」を歌われたこと。涙涙の…本当に素晴らしいコンサートでございました。
…と、まぁ節目節目でコーちゃんのリスペクトショーが行われているわけで、いかに偉大な存在だったかということを再認識する訳でございます。
さて、本日ご紹介させていただきますCDは1999年9月に越路吹雪・没後20年&宝塚歌劇85周年を記念して発売されたもので、disc1が宝塚OGによるカバー集、disc2はコーちゃんのライブ実況録音盤になります。
なんとライナーでは岩谷時子先生が筆を執られております!
カバーをされた方はと言いますと、麻実れいさん、大浦みずきさん、杜けあきさん、安寿ミラさん、一路真輝さん、稔幸さん、姿月あさとさんという歴代のトップスターが揃った豪華なメンバーが揃っています。
私個人的には汀夏子さん、瀬戸内美八さんのような型にはまらないダイナミックなスターが大好きなのですが、麻実れいさんのような絵にかいたような男装の麗人も忘れることはできません。
そして今はこの世にいらっしゃらない大浦みずきさんもCDに参加されており、また人生を淋しく歌った「ケ・サラ」を歌われていることも偶然だったのか、今となっては胸をうたれます。
越路吹雪さんは大正13年、新潟県の出身。愛称のコーちゃんは「越路」からではなく、本名の河野美保子からつけられたものでした。
昭和12年に初舞台を踏み、終戦直後の宝塚歌劇黄金時代を支えた大スターで、退団後はミュージカル女優、シャンソン歌手という、今まで日本にはなかったジャンルを切り開き、日本のショービジネス界を支える伝説的存在となりましたが、昭和55年に56歳の若さでこの世を去りました。
越路さんがおられなければ、日本におけるミュージカルやシャンソンの普及が遅れていたのかと思うと不思議な思いがいたしますね。
NHKの越路吹雪物語の放送をきっかけに、今も色あせることのない越路吹雪さんの歌声を楽しんでみてはいかがでしょうか?
こばちゃん
杉並区西荻窪のお客様より、学術書、美術書、文芸書をお譲りいただきました
お客様からサミュエル・ベケットの『モロイ』をお譲りいただきました。
ベケットと言えば、現代演劇に最大の影響を与えた、戯曲『ゴドーを待ちながら』で有名ですが、1952年に出されたこの戯曲と並行しながら書かれた小説が、『モロイ』『マロウンは死ぬ』『名づけえぬもの』の三部作です。
わたしは数年前に三部作最後の『名づけえぬもの』を最初に読み始めたのですが、まったく読めず、それこそ15ページも進まずに読むのを断念したのを覚えています。文字は平明でまるで内容が難しいわけでもないのに歯が立たなかったのは、今まで自分が考えていた「小説はこういうものである」とはまるで無縁な地点で書かれていたからでしょう。わたしは不思議と読めないことが嬉しかったのを覚えています。今のわたしでは捉えられない、異様ななにかがそこにはある、ということだけはわかったからです。
モロイはこう始まります。
私は母の寝室にいる。今ではそこで生活しているのは私だ。どんなふうにしてここまでやってきたかはわからない。救急車かもしれない、なにか乗り物で来たには違いない。だれかが助けてくれた。一人では来られなかったろう。毎週やってくるあの男、私がここにいるのはあの男のおかげかもしれない。
ゴドーを待ちながらは「この三部作を書く苦闘の息抜き」のために書いたとベケット自身は語っています。『モロイ』では、主人公はベッドで目覚めて町の中を移動していきながら話が進んでいき、続編の『マロウンは死ぬ』では、ある部屋の中でベッドに寝たまま歩けない男の人称で話が展開します。そして最後の『名づけえぬもの』では、どこにいるのか、そもそも人間なのか、目や口はあるのかすらわからない暗い場所の中にいるなにかが最後までしゃべり続けます。いずれにせよ、前述のモロイの冒頭のように、自分がだれで、なにをしているのか、なぜここにいるのかも未明の状態から、小説は進んでいきます。
ベケットは三部作を書きながら、語り手の動きを剥ぎ、物語ることを剥ぎ、母国語でない言葉で書いて滑らかさを剥ぎ、空間を剥ぎ、風景を剥ぎ、未明の場所で、それでも続けていく小説を書きました。読んでいると熟練の潜水夫が、まだ潜れる、まだ潜れる!と息継ぎをしないままひたすら潜り続けているような印象をわたしは受けます。そして「もう続けられない、続けよう」と最後のページに書いて、『名づけえぬもの』は終わります。
正直、何度も読みましたが、まだ一度も読めた気はしていませんし、最後までページをめくっても未消化のまま整理できず、しばらくするとまた読みたくなって本を開くというのをここ何年も繰り返しています。しかし整理してしまったらそれはベケットの文章とはまるで別のものになってしまうでしょう。確かなのはベケットを読んで以降、ストーリーやメッセージ先行の小説をわたしは一切読めなくなってしまいました。結論ありきのそれらが非常に窮屈で息苦しく、背中がこわばってしまうのです。
もし、今ある小説に飽きていらっしゃる方がいれば、まるで別の小説の可能性を押し広げていったベケットの三部作はいかがでしょうか?「いったい何の話をしているのかわからない、しかしわからないのに面白い」という喜びに出会える小説です。
タテ
神奈川県横浜市にて、貸本漫画、ガロ、つげ義春、水木しげる、塚本邦雄、開高健、文学評論、異端幻想、昆虫図鑑などの古本をお譲り受けいたしました!!
神奈川県横浜市のお客様にご用命をいただき、貸本漫画、学評論、異端幻想、昆虫図鑑などの古本を買い取らせていただきました。ありがとうございました!
と、いうわけで突然ですが!
フジタンの好きな擬態昆虫ランキング!
三位はコノハムシ!
テレビなどでよく見ますね。実は手のひらぐらいある大きな虫だったりします。
葉っぱの上にいると本当に見分けがつきません。
二位はハナカマキリ!
ランの花のような鮮やかな白が美しいですね。
幼虫まで擬態をするという職人っぷり。
一位はもちろんムラサキシャチホコ!
超絶技巧と呼ぶべき枯れ葉の模様はもはや芸術品。
今回お譲りいただいた昆虫図鑑を眺めていて、ふと子供時代を思い出しました。
今はインドア生活中心の私も子どもの頃はまさしく虫の虜。
昼は近所の野山で虫取り網をふるいバッタやらカマキリやらを捕まえ、夜は昆虫の図鑑や伝記・エッセイ、手塚治虫の『昆虫つれづれ草』などを読んでまだ見ぬ奇妙な虫との出会いを妄想していたものです。
今思えば、彼らの持つ工芸品のような美しいフォルムが私の造形感覚を養っていた……のかも、しれません。
都市開発が進み野山が減ったとは言いますが、草むらを探せばまだまだ虫達に出会えます。
今年の夏はまたカマキリでも飼ってみたいですね。
フジタン
川崎市高津区にて ★絶版漫画、藤子不二雄、赤塚不二夫、手塚治虫、サンコミックス、虫コミックス、フィギア、ニンテンドーDS、PS、ゲームソフト、DVD
絶版漫画を多数お譲りいただきました、ありがとうございます(^^)!
集英社ジャンプ・コミックス「ふしぎトーボくん」全6巻
作画/ちばあきお 原案/千葉樹之
★あらすじ
田中としお(愛称:トーボ)は、動物や植物と会話ができる特殊な能力を持っていた。しかし、その能力のためにいじめを受けてしまい、動物たちとはすぐに仲良くなれるものの、人間とのコミュニケーションを苦手としていた。
人間社会になじめなかったため、トーボは小学校に通わずに施設に入れられていた。あるとき父親と暮らすために再び自宅に帰ってくることになったが、帰宅後も人間より動物との会話を優先してしまい、父親から「明日中に父以外の人間と付き合えなければ施設に送り返す」と言われてしまう。翌日、トーボは勇気を出して近所の子供たちのいる公園へと向かい、ちょっかいを出してきた子供たちとは喧嘩してしまうが、父親との約束は果たす。その後、自宅周辺の動物たちや同級生たちとの生活を通して、特殊な能力を発揮しながら徐々に人間社会になじんでいく。(Wikipedia)
舞台は東京都足立区千住。
1982年から1983年まで週刊少年ジャンプに連載されました。
動物たちの言葉が、例えば犬語なら吹き出しが「イヌイヌイヌ…」、猫語であれば「ネコネコネコ….」、ねずみ語は「ネズミネズミネズミ…」で囲われているのがユニークで微笑ましいです。
宇宙人語は「☆☆☆…」!
とっても魅力的な作品でありながら、知る人ぞ知る漫画でしょうか。
しかしWikipediaのページの充実っぷりからしても熱烈なファンの存在が窺えます。
一昔前、バウリンガルやミャウリンガルなんてものが流行り、私コロスケも当時実家の猫の声を翻訳したことがあります。
その時、愛猫が言ったの言葉を今も忘れません。
その言葉は…
「やっこさんだよ」
コロスケ
実用書、ビジネス書、最新の本をお譲りいただきました〔文京区白山〕
本日は、写真家・篠山紀信初期の傑作写真集のひとつ「nude」(1970年)を紹介いたします!!
篠山紀信といえば、あの独特のアフロヘアが印象的ですが、なんと新宿のお寺さんの息子ということでビックリ!
新宿のお生まれということで、篠山さん独特の垢抜けた作風に納得いくような気がいたしました。
本作品は日本を代表する写真家の一人である篠山紀信がデビュー間もなく手がけた写真集で、今見ても鮮烈な写真の数々に目を奪われてしまう思いがいたします。
私が特にビックリ致しましたのは、被写体の女性を見ながら「カルメンマキ」に似ているなと思っていたら、なんと「マキと支那虎」という項のモデルはカルメンマキさん本人でございました!支那虎とはマキさんと同じ劇団・天井桟敷(寺山修司主宰)に出演していた俳優さんで、ヒッピー、サイケ、アングラ、シラケなどの要素を含んだお二人の姿は今見てもナウい印象を受けます。
この時のカルメンマキさんといったら、寺山修司がプロデュースした歌謡曲「時には母のない子のように」で紅白に出演した頃であり、写真集を見た方々は当世人気歌手のnude姿に驚いたことでしょう。
この写真集を見ているとどこか、1960年代に独特な文化を築いていた「新宿臭」が漂っています。…寺山修司、横尾忠則、丸山明宏、宇野亜喜良、JAシーザー、唐十郎、浅川マキ、森山大道などの伝説的人物のなかに篠山紀信さんがいるのだと再認識いたしました。
byこばちゃん
■迎春■ 最新の料理本、レシピブック、趣味の本を買受けしました: 松戸市矢切周辺
明けましておめでとうございます!
日増しに寒くなってまいりましたが、皆様はどのような年始をお過ごしでしょうか?
こんな時期にピッタリの「世界のホットドリンク」(プチグラパブリッシング 2005年刊)が入荷いたしましたので、ご紹介させていただきます。
本書はその名の通り、世界各国の温かい飲み物をセンスよく紹介したもので、シャレオツなカフェの座り心地のよい椅子に腰かけながら読みたい一冊。
世界各国には日本では知られていないような温かい飲み物がたくさんあり、興味津々!
レシピも掲載されているので、ちょっと贅沢に材料をそろえて、世界のおいしそうな飲み物を味わってみるのもいいかもしれませんね。
コーヒー好きではあるものの特に知識のない私は、メキシコインディオ語で「苦い水」という意味の「ショコラトール」という言葉が、「チョコレート」という言葉の語源ということも初めてしりました!
それから私の手が止まったのはフランスの飲み物「カフェロワイヤル」ページ。
なんだったかなぁ?と思いながら頭に浮かんできたのは、数年前にみうらじゅんさんによって再ブームを巻き起こした歌手・奥村チヨさんが歌う「青い焔」(「走馬燈」のB面)でした。
歌詞の中には「〽部屋の明かりをすっかり消して あなたがいれるカフェロワイヤル」という言葉が織り込まれており、本書に掲載されている写真を見てすっかり納得いたしました。
なんとブランデーをしみ込ませた角砂糖につけた火が青いのです!
この歌の題名である「青い焔」とは、カフェロワイヤルの様子をそのまま題名にしたものなんだと、今更に知ることが出来ました。
今でもカフェロワイヤルがメジャーな飲み物という認識がないのですが(私だけ?)、今から40年前にカフェロワイヤルを仕掛けようとした方がいたりしたのでしょうか?
こばちゃん
渋谷区神宮前で、実用書、新刊書、ビジネス書、デザイン書、コミック、インベスターZなどを買い受けしました
今年もいよいよ大晦日になってしまいました!
皆さん思い思いのお正月を過ごされることと思いますが、やっぱり日本の一年の締めくくりといえば「紅白歌合戦」を見ることではないでしょうか?
紅白歌合戦は昭和26年から放送が開始されましたが、当初は1月3日にラジオで放送されていたお正月番組。
また第一回目放送の出演者をみると、「憧れのハワイ航路」の岡晴夫さん、バタヤンこと田端義夫さん、そしてデビュー間もない人気絶頂の美空ひばりさんなどの名前が見当たりません。その理由はというと…当時は紅白歌合戦への出演は歌手のステータスではなかったどころか、一流歌手の多くは浅草国際劇場や日劇などでの新春公演を控えていたため、第一回の出演者の顔ぶれをみると戦前派からのベテラン歌手が中心。
また1曲しか出番がないのに1日中拘束されることから、後年の美空ひばりさんは自分が歌う場面のみの出演という特例を条件にトリを務められていたそうです。
そんな紅白歌合戦も昭和30年代の後半からは日本の大晦日を飾る一大行事となり、昭和38年の視聴率はなんと81.4%!!!
この年は江利チエミさんの司会、弘田三枝子さんからはじまり、大トリは美空ひばりさんという豪華版。本当に日本中が紅白を観ていたといっても過言ではないですね。
そして1970年代以降になると日本の音楽シーンも変貌を遂げて、美空ひばりさん、越路吹雪さん、島倉千代子さんなどの大歌手の紅白辞退が相次いだ中、1990年代の初頭から存在感を放つようになったのがベテラン歌手の小林幸子さん、美川憲一さんのお二人でありました。
近年、紅白歌合戦の名物となっていたお二人の豪華衣装合戦はピリオドを打ってしまいましたが、なんと目の前にあの日の感動が蘇るDVDを入荷させていただきました。
その名も「小林幸子 美川憲一 二人だけの紅白歌合戦」!!!
ジャケットのお二人の写真がすでにすごいです(笑)昭和39年に少女歌手でデビューした小林幸子さんではありますが、紅白出演歴は美川憲一さんのほうが古いということで、芸能界でも頂点に立つお二人。そのパフォーマンス力はさすがです!今後も芸能界の重鎮として活躍されることを期待しております。
そして2017年、私はあまり紅白を見ないのですが(年忘れにっぽんの歌派)、今年は来年に引退を表明された安室奈美恵さんが出演されるとのことで、注目度も高まることと思われます。2017年の締めくくりはどのようになるのでしょうか?
Byこばちゃん
年末年始も出張買取りいたします!
2017年も残すところあとわずかですね!
くまねこ堂は、
0120-54-4892(古書、予約にゃ!)まで、お気軽にお問い合わせください!
(※日時によっては、すでに予約で埋まっている場合もございます、
その際は何卒ご容赦下さい)
文学、太宰治、抱瓶、木版画、武井武雄、畦地梅太郎、関野純一郎、初山滋、戦前初版本をお譲りいただきました[江戸川区葛西にて]
本日は買取品のなかから文豪・太宰治の書籍をご紹介したいと思います!
『斜陽』 新潮社 昭和23年3刷
『斜陽』 新潮社 昭和23年
『斜陽・人間失格 その他』改造社 昭和26年
『第一篇小説集 晩年』 砂子屋書房 昭和16年
『晩年』 新潮社 昭和13年
『晩年 養徳叢書15』 養徳社 昭和21年
『八十八夜』 南北書園 昭和21年
『お伽草紙』 南北書園 昭和23年
『如是我聞』 新潮社 昭和23年
以上のように、違う出版社から出された同一作品の書籍が蒐集されており、その当時から太宰マニアというのが存在していたのでしょうか?
太宰といえば戦後の混乱期に花開き、その混乱のなかで心中事件を起こしあっけなくこの世を去ったというイメージが強いのですが、この戦後の混乱というのは想像以上のもので、「戦後に本当の戦争がはじまった」といわれるように戦時中よりも食料事情が極端に悪くなって、今までの道徳や秩序はすべて覆されたという世の中。
終戦直後に没落していく華族の姿を描いた太宰の「斜陽」や、坂口安吾の「堕落論」などは生きる目標を失った若者たちの大きな支持を集めたといわれております。
またこの終戦直後の書籍の奥付には、大体「配給元 日本出版配給統制株式会社」との記載があるかと思いますが、日本出版配給統制株式会社とは出版物の管理を目的とした機関で1940年に設立。その同機関が1944~1949年まで使用した名称であり、戦時中から戦後混乱期に出版す場合は「配給元 日本出版配給統制株式会社」の管理下で奥付に同機関の名称の記載がない書籍は取次店で販売が不可能だったそうです。しかしGHQから指示があり1949年には解散になりました。
「統制」という言葉を見るとどことなく息苦しさを感じますね。
また来年は太宰の没後70年!もう70年も経過したんですね…
大人になると名作ものを読むことが億劫になりがちですが、改めて太宰治の著作を読んでみたいと思います!
byこばちゃん
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