買取事例
中国美術関係や書道の本などをお譲りいただきました🐼
もう7月。白い光の眩しい日が続くと、やさしい雨が恋しくなります。
毎日暑いですね💦
どうぞ皆さまご自愛ください。
先日は、埼玉県草加市に出張買取に伺いました。
カメラ・ライカ部品などに加え、HOゲージなど鉄道模型、また全集・中国美術などの本、軍艦図面集、更に書跡名品叢刊といった二玄社の本、書道の本等々をお譲りいただきました。
以下のように、宮内庁三の丸美術館での展覧会図録もたくさんいただきました。
三の丸尚蔵館は、皇室に受け継がれれてきた貴重な品々のうち、国に寄贈されたものを収蔵しています。その中には、平安時代の「粘葉本和漢朗詠集」「金沢本万葉集」や、鎌倉時代の絵巻「春日権現験記絵」「蒙古襲来絵詞」、また狩野永徳筆「唐獅子図屏風」、狩野探幽筆「源氏物語図屏風」、横山大観、高村光雲らの作品といった、時代を代表する名品が多くあります。
現在、三の丸尚蔵館は新施設への移行準備のため休館中で、新施設は令和5年秋ごろに開館する予定とのことです。しかし、三の丸尚蔵館の収蔵品を展示した展覧会は、随時行われています。一度は是非行きたいなと思いました。
また、次の画像の「故宮博物院」(NHK出版)もいただきました。
故宮博物院の収蔵品は、宋・元・明・清の宮廷の所蔵品から来ているとのことです。長い歴史を感じます。激動の時代をくぐり抜けた美術品、興味深いです。
展覧会、実際の品物を見る機会を得るのはもちろん素晴らしいです。しかし、こう暑いとなかなか家から出られず…💦
そんな時でも、こういった図録や全集などがあれば、ゆっくり解説を読みながら美術品について学べますね。猛暑の日は、そんな過ごし方をするのもいいかもしれません。
本日もお読みくださりありがとうございました。
くまねこ堂では古本はもちろん、CD/DVD、ゲーム類、古道具、アクセサリーや時計、万年筆など、幅広いジャンルの商品を見ることが出来ます。
ちょっとしたご整理はもちろん、遺品整理やお引越しの際などの大量の不要品なども一度に見ることが出来ます!
ご整理やご処分にお困りのお客様がいらっしゃいましたら、是非お電話、LINE、またはメールフォームにてお気軽にご連絡ください♪
コトー
参考したもの
宮内庁三の丸尚蔵館・概要 https://shozokan.kunaicho.go.jp/about/overview/
国立故宮博物院・故宮について・「歴史・沿革」https://www.npm.gov.tw/Articles.aspx?sno=03012532&l=3
技術書・専門書、大大歓迎!!
本日もくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。
先日は江戸川区のお客様からご連絡をいただき出張買取に伺いました。
お客様はSEをされていらっしゃるということで、PC技術書、C言語やJava等のプログラミング言語に関する書籍などを中心にお譲りいただきました。
誠にありがとうございました。
『プログラムはこうしてつくられる プログラマの頭の中をのぞいてみよう』(平山尚 著 秀和システム 2018年第1版第8刷)が気になりましたので、ご紹介しようと思います。
こちらは「初めてプログラム作りに触れる人」に向けた入門書という位置づけになっています。
「画面上方から落ちてくる四角をうまく積み上げる」というどこかで見たことがあるゲームを完成させることがゴールとして設定され、本書を通してプログラミングの基礎を学ぶことが出来ます。
特に冒頭で、本書で学ぶことの利点と欠点を明示していることが右も左もわからない未経験者には嬉しいところですね。
それなりのページ数がある本ですが、表や画像が多く用いられ読み解き易いように構成されている印象です。
プログラミングを使ってやりたいことはたくさんあるが、プログラミング自体には食指が動かない…という私みたいな人にピッタリな気がします。
私もそろそろやるか~みたいな気持ちになってきました。やるぞ~!!!
まずはWindowsを買う!!!
この度はお電話をいただいてすぐにお伺いすることができました。
ご整理の一助になりお喜びいただけましたこと、私どもも光栄に存じます。
くまねこ堂は技術書や専門書なども勿論大歓迎でございます!
また書籍はもちろんCD・DVD、ゲームや模型など幅広く扱っております。
お引越しに伴うご整理もお任せください!!
お電話やLINE、メールからお気軽にご連絡くださいませ。
スタッフ一同心よりご依頼お待ちしております。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
トリ
肩、首のこりを解消してスッキリしなやかな身体に🙌
いつもくまねこ堂ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
先日は東京都世田谷区のお客様より額、リトグラフ、木版画、油彩画等をお譲りいただきました。ありがとうございます!
一気に気温も高くなりすっかり夏なりましたね😎
すでに酷暑といった感じですが…暑くなると熱中症の危険が高まりますので気を付けていきたいですね💦
知っておいて損のない情報として、筋肉量が多いと熱中症になりにくいそうです。
というのも筋肉が水分を保持してくれるので筋肉が多ければ脱水になりにくいとのこと。そういう意味でも夏に向けての筋トレ、ありですよね🤭
だからと言ってこまめな水分補給はおろそかにしてはいけませんからね、気を付けていきましょう(`・ω・´)ゞ
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良く皆さんも体験するであろう肩こり、首こりを解消させる、身体に関する本のご紹介です。
「フランクリン・メソッド 首のリラックス 肩の解放」 著=エリック フランクリン 訳=ディスマー ゆかり
フランクリン・メソッドは、
身体に隠されている強さをコーディネーション(協調性)されたかたちで用い、効率的で伸びやかな動きの基盤を創るものである。
……身体に悪いとされている全ての動きの裏には、より良い動きが隠れている。
悪いものを変えようと躍起になるのではなく、身体を深く掘り下げて、
より良い動きを再び表面へもたらすようにするといい。
イメジェリーは、身体に眠っている本来の自然な動きを再発見する探知機として、はたらいてくれる。(本文より)
身体の構造を理解して、イメージしながら実際に身体を動かしてみることによって心身ともにリラックスできるような内容です。
肩甲骨を動かしたりするのはわかりやすく肩こりなどに効果的な気はしますよね。
もちろんそれも大事なことなので是非取り組むべきなのですが、よりリラックスさせるためには肩の筋肉だけどうこうするのではなく、他の部位もほぐしていく必要があるようです。
人間の筋肉は色んな部分の筋肉と交わりながら構成されているので全体をほぐすことでより良い状態へとすることが出来るようです。
筋肉だけではなく内蔵も(内臓も筋肉ですが)意識してほぐしていく、肺などは肩や首をゆるませるためにもとても大切な部分のようです。
普段何気なくしている呼吸も意識してより深く、ゆっくりと行ってみることで肺に酸素が送られて膨らむ感覚など、自分の体内の動きを感じながら身体と向き合ってみる時間も大切な気がしますね😊
何事も身体が資本ですから!たまには自分の身体と向き合って労わってみるのはいかがでしょうか😳
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くまねこ堂では古本だけでなく、CD/DVD、ゲーム類、アクセサリーや切手、万年筆など、幅広いジャンルの商品を見ることが出来ます😽
遺品整理や商品が大量の場合なども対応可能です!
またタイミングが合いましたら即日出張買取でお伺いできる場合もございます♪
ご整理やご処分にお困りのお品物をお持ちのお客様がいらっしゃいましたら、是非お電話、LINE、またはメールフォームにてお気軽にご連絡ください。
また、お客様からの感想、レビュー、クチコミ、高評価などいただけますと、スタッフの日々の励みとなります!よろしければどうぞお願いいたします🙌
スタッフ一同心よりお待ちしております。
クウスケ
コミックセット、スラムダンク、ビジネス書、実用書、新刊本などお譲りいただきました。
いつもくまねこ堂ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
今年は本当に暑いですね。皆さまくれぐれもお体にお気をつけくださいませ。
本日は世田谷区のお客様より本のご処分でご相談をいただき、出張買取にお伺いさせていただきました。コミックセット、スラムダンク、ビジネス書、実用書、新刊本などなど、多数お譲りいただき、誠にありがとうございます!
今回はキレイな本ばかりをお譲りいただきました。大変嬉しいです!また、未だ根強い人気のSLAM DUNKは完全版の入荷です。連載当時から大人気で、SLAM DUNKの影響でバスケ部員が急増し、短めの学ランに白Tシャツを出すスタイルの人がたくさん現われていましたね。キャラクターも豊富で主人公桜木花道や赤木キャプテン(ゴリ)はもちろん、流川や仙道、藤間、宮城、三井、水戸洋平なども人気でした。私も水戸洋平が好きでしたね。前半の山場の三井がバスケ部に戻るきっかけとなる体育館での乱闘の回、一番いいところを持っていってるのは水戸洋平ですが、彼らが罪を被って停学になりバスケ部は不問とされた後、謹慎中にパチンコに向かう水戸洋平や桜木軍団を笑顔で見送るヒロイン赤木春子という微笑ましい場面も。時代です。思い出していたら久々に読み返したくなりましたね。
くまねこ堂では古本やDVD/CDだけではなく、古道具や骨董品、アクセサリー、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取を行っております。ご処分をお考えの際はお気軽にご相談下さいませ。また、ご遺品整理などでお困りのお客さまは、是非くまねこ堂までお申しつけ下さいませ。お電話またはメールフォーム、LINEにて、お気軽にお問い合わせ下さいませ。スタッフ一同心よりお待ちしております!
お客様からの感想やレビューなどいただけましたらスタッフも大変嬉しいです。
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56さん
マンガやゲームなどなどお譲りいただきました!
本日もくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。
先日は千葉県市川市のお客様からご連絡いただき出張買取に伺いました。
ブランドジュエリーやシルバーアクセサリー等の貴金属、ニンテンドー64、ゲームボーイ、スーパーファミコン等のレトロゲーム、おもちゃ、ビーバップハイスクール、銀魂、ジャンプコミックス等の絶版マンガやコミックセットなどをお譲りいただきました!!
誠にありがとうございます。
私の好きな作品がいくつもあってテンション上がりました(笑)
「イコライザー」とか年5回くらい見てます!!
マッコールさんみたいになりたいってみんな1度は思いますよね!?!?
普段の買取中は「それ私も好き~!!」などと心の中で叫びながら作業しております。
くまねこ堂では、古書はもちろんマンガやゲーム、古いおもちゃ、アクセサリー、骨董品、美術品などなど多岐にわたる品物を扱っております。
様々なジャンルを同時に査定できますので、効率よくご処分やご整理のお力になることが出来ます!!
是非お気軽にお電話やLINE、メールにてご連絡くださいませ!!
スタッフ一同ご依頼を心よりお待ちしております。
最後までお付き合いありがとうございました。
トリ
写真集など買取いたしました🌟
暑い…暑いです…💦
もう夏なのでしょうか。体が慣れてなくてつらいです。
皆さまご自愛ください…。
先日は、千葉市四街道方面に出張買取いたしました。
フィギュア・写真集・アイドル写真集などいただきました!
こうして写真集の背表紙を見ると、今でもご活躍の女優さんやタレントさんの名前がありますね。
以下、写真や写真集に関して、私がこの買取を機会にふと思いましたことを、少し書き出してみたいと思います。
写真の魅力は、なんといってもその瞬間その瞬間の被写体が記録されていることでしょう。人は皆、歳をとり、変化していきます。記憶も曖昧になっていきます。
その中で、その時のその人を思い出すよすがに写真はなります。
しかし、人は常にどこか動き、揺れているものです。心臓の鼓動があり呼吸があり、細胞は絶えず何かを出し入れしています。
そして人が対象を見る時、平らには見ることはできません。焦点があり、意識が向いているものがあり、それ以外は頭にないからこそ、その対象を見ることができます。視界に入るもの全てを情報として処理していたら、私たちの脳はパンクしてしまいます。見えてないものがあるからこそ、物を見られるのです。
だから写真にうつったものは、私たちの眼が捉えるものとは微妙に異なるものです。写真は動いているものの瞬間を写して固定し、レンズに入る範囲の全てを記録します。
だから写真集における女優さんやタレントさんも、どこか本人そのものに会う印象とは違うはずです。
また、写真集における被写体も、日常生活とは別の世界のものであるように思います。写真集を開けば、女優さんやタレントさんが親し気に微笑みかけてくれますが、あれは誰に笑っているのでしょうか。
写真集を手に取った人には、自分に向って笑顔を作ってくれているように思います。しかし、撮影現場では、その人はカメラのレンズに対して笑っています。つまり、人が人に会って向ける笑顔に似せて作られているが、そのものではないのです。
無機質なカメラのレンズを覗き込む瞳が写真となり、写真集として刷られ一千部二千部となると、その二千四千の瞳は、本を手に取った人それぞれに密やかに向けられたものとなる、そのような錯覚が起きる。この不思議さ。
普段何気なく見ていますが、写真や写真集は、ちょっと思い詰めてみると、面白いものだなと感じます。
以上つらつらと書き連ねました。お付き合いくださりありがとうございました。
くまねこ堂では古本はもちろん、CD/DVD、ゲーム類、古道具、アクセサリーや時計、万年筆など、幅広いジャンルの商品を見ることが出来ます。
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コトー
アレクサンドル・チャヤーノフ『農民ユートピア国旅行記』和田春樹・和田あき子訳(平凡社、2013年)が入荷しました~忘れられた「小農経営の環境社会主義」
いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。
くまねこ堂では幅広いジャンルの書籍、古道具などの査定、買取に取り組んでおります。バーコードのある本だけ買い取りしたい古本屋さんもおられるかもしれませんが、当店ではそうではない古書や全集など、分け隔てなく買取いたします。本ページのフリーダイヤルやLINEなどより、お問い合わせください。また、そうした貴重な書籍や物品は、ブログで紹介してまいります。
ところで、アレクサンドル・チャヤーノフ『農民ユートピア国旅行記』和田春樹・和田あき子訳(平凡社、2013年)という本が入荷しました。この本は、カバーのあおり文によると、次のような内容とのことです。
「世界社会主義革命が勝利し、家庭の台所廃絶法によってブルジョワ社会の最後の毒素が一掃されんとする一九二一年から、主人公クレムニョフは一九八四年のモスクワにタイム・スリップする。そこは、さらに農民革命を経たあとの世界、小農経営に立脚した、実現したユートピアだった。素晴らしく進歩した技術、発展する文化…けれどもそれは、主人公を満足させる社会なのか?オーウェルとは別の、今こそ読まれるべき1984!」
全体主義国家の監視社会のディストピアを描いたジョージ・オーウェルの『1984』に対して、ユートピア(のはずの)「1984」にタイムスリップするのが、チャヤーノフ『農民ユートピア国旅行記』だということなのでしょう。
著者のチャヤーノフについては、Amazon商品ページによれば以下のように記載されています。
「チャヤーノフ,アレクサンドル
1888‐1937。独自の小農経済理論により、ネオ・ナロードニキ派の理論的指導者として活躍した農業経済学者。農民経営の理論をまとめた『小農経済の原理』は、日本を含め、世界的に影響を与えた。第一次世界大戦下には農民の協同組合の組織化を推進、1917年ロシア革命がおこると土地改革連盟を組織して土地改革プログラムづくりにつとめ、その後も農業協同組合の中央機関の指導者として活躍した。スターリン体制下、1930年に逮捕され、4年後流刑に処され、さらに1937年再逮捕され、処刑された」
チャヤーノフの足跡は、別のソ連史があり得たこと、そして、その可能性は無慈悲にも踏みつぶされたことをうかがわせます。
ところで、ソ連の農業、といわれて読者の皆さまは何を思い浮かべるでしょうか。たしかに上記引用で、チャヤーノフの『小農経済の原理』は、「日本を含め、世界的に影響を与えた」とありますから、チャヤーノフのファンがいらっしゃることを信じております。しかしながら、共産主義体制のソ連が解体して30年以上経過した今日、何らの感慨もないとった答えも返ってきそうです。
しかし、日本でも、ある時期までの農家出身の大学生にとっては、ソ連の農業は並々ならぬ関心を引く研究テーマであったと思われます。彼ら自身の生い立ちと、ソ連における農業をめぐる熾烈な政治や、農村社会の込み入った事情といったことが、何やら二重写しに見える、というのはそこまで突飛な話でもありません。
そこで、チャヤーノフ『農民ユートピア国旅行記』の紹介のためにロシア史を勉強しましたが、そんな付け焼刃の勉強でも、第一次世界大戦中の1917年のロシア革命、それに引き続く内戦と国際的な反革命戦争、経済復興の試みと一国社会主義路線の確立、そしてスターリン独裁の体制へといった一連の流れにおいて、食糧問題が一貫して重大な問題であったことがわかります。このように、ソ連史において農業の位置は、政治・経済の中心的な位置を占めていたのです。
実は、そうしたことを明らかにしていった研究において、意外にも日本人研究者が先駆的な成果を挙げているのです。ソ連においては共産党政権の公式見解と対立する見解を提示することは困難でしたし、アメリカを始めとする資本主義陣営の国々でも、ソ連を非民主的で経済の自由もない独裁国だという先入観が強く存在していました。東西冷戦の現実は、やはり自由な研究を阻害していました。そのため、事実に基づいた着実な研究を進めていけるという意味での自由な環境は、むしろ第二次世界大戦後では国際政治を動かすプレイヤーではなくなった日本にあったのです。むろん日本にも、アメリカを重視する立場とソ連を重視する立場があり、熾烈な国内冷戦があったことは事実ですが、米ソ両国における研究とは異なった形で、独自の研究成果を発表できる環境にはあったのではないでしょうか。
しかし、そういう経緯を紹介すればするほど、ソ連史の勉強にあたってのハードルを吊り上げてしまうかもしれません。ならばいっそ、ソ連の共産主義に対して云々するよりも、現在の私たちが直面している、自然環境の悪化と日本経済の行き詰まりといった問題との関係から、ソ連史を振り返るというのはどうでしょうか。この気候危機の問題に関わって、ソ連史における農業経営論の一系譜として、チャヤーノフの議論を若干なりとも振り返ってみたいと思います。
「小農経営のユートピア」を描いた農業協同組合の指導者チャヤーノフは、国家による農業の一元化、および国家主導の農業と工業の分離に反対していました。経済の中央集権化に対抗したチャヤーノフの存在は、今日においてより重要性が増しています。というのも、20世紀の歴史が証明していますが、国家財政と企業の規模を大きくして、特定の分野の生産性を拡大することは、大量消費の社会とセットなので、環境負荷が大きいわけです。そうした形で達成される生産性の向上は、自然環境と人間の経済社会との間での物質の循環(物質代謝)が、人間側が自然から農作物や地下資源を搾り取り、さらには廃棄物を垂れ流す、という一方的なものになりがちです。
そこで、こうした傾向に対抗する思想が、チャヤーノフのユートピアにあるはずだと思って勉強を始めてみました。そうすると、小規模な経営を支える組織的な基盤は何であって、そして農業と工業はどのように結びつくのかということが知りたくなりました。
そうなってくると、小説の『農民ユートピア国旅行記』だけでは、上記の点はわかりませんので、ソ連史の研究書にあたってみました。参照したのは、訳者解説でもふれられていた、奥田央・東京大学名誉教授の『ソヴェト経済政策史』(東京大学出版会、1979年)です。
小規模な経営を支える組織的な基盤については、1922年のソ連の行政区画改革に関する説明の部分が参考になります。
「戦争と内乱で壊滅的な様相を呈していた初期のソヴェト経済は経済的諸資源の最大限に合理的な活用による経済社会のあらたな改造を求めていた」ため、経済的地区区分についての研究が1921年頃から進められており、その流れで1922年4月の全ロシア中央執行員会幹部会で、従来の県―郡―郷の行政区画を変更し、「生産的原則に基づく新しい行政区画である州―管区―地区とする」という決定がなされました。上記の「州」は「工業、運輸、人口。自然的諸条件などを考慮した生産的コンビナート、さらにそれ相互での分業という観点から区画されるべき」行政区画とされました。奥田氏はここで、重要なのは最小単位である「地区化される郷」がどのように設定されたのかという問題だと指摘します。続く説明によれば、地区は「従来の郷より経済的に一層強固な単位」であるべきだから、大きなバザール村、鉄道の駅、波止場を中心に設定されたとのことです。
小規模な経営を支える行政区画である、「地区」というものがあることはここまででわかりました。しかし、「地区」の中核となるもののうち、駅や波止場という交通の要所が列記されているのは、その経済的な重要性からいけばもっともなことですが、「バザール村」とは何なのでしょうか。もし「バザール村」が農業と工業を結びつける場であれば、チャヤーノフのユートピアがリアリティを持っていたというのも、ただのダジャレではなくなるでしょう。以下、「バザール村」についての説明を奥田氏の著書から引用します。
「多くの農村のバザールには、農民に必要な『ありとあらゆる』、『決定的にすべての』生産物が出まわった。このような農村における小規模な定期市を交換の場とする農民の取引においては、その『引力』の圏内にある地域の生産者の多様な消費需要をみたす共通の場というバザールの性格に規定されて、交換の必然性は農業生産物と工業製品の双方におよんでおり、農民の小規模は工業的営業(クスターリ工業)による製品は後者の不可欠な一要素としてあらわれている」
バザール村は農業生産物と工業製品の市場になっていたわけで、これが「地区」の中心的要素の一つであった、というところまでつながってきました。それでは「農民の小規模は工業的営業(クスターリ工業)」とは何でしょう?これこそが、農業と工業とが結びついた経営でしょうか。もう少しで、大量生産・大量消費とは異なる経済の仕組みが出てきそうです。
これに関しては、奥田氏の著書では、1919年1月の消費協同組合中央連合が招集した評議会における、経済学者ニコライ・コンドラチェフによる報告についての記述が参考になります。
まずコンドラチェフは、農民が農産物の工業的加工によって所得を得るべきだと主張します。続けて奥田氏によるまとめによれば、「第二に、とくに農産物加工の場合それは重要な特徴をもっている。すなわち加工には、油かす、ふすまなどの副産物が発生し、これが飼料用、施肥用の貴重な資源を提供する。したがって『農民経営は生まの形態で生産物を販売することによって、ふつうこれらのひじょうに貴重な飼料用、肥料用資源を奪われている』。『このことは、土地の疲弊、畜産の発展の抑止をうながさないわけにはいかず、したがって経営全体の発展をおしとどめる』。これが農民による加工の必要性の第二の理由である」とコンドラチェフが指摘したとのことです。
コンドラチェフが述べたように農産物加工で発生する副産物が、飼料や肥料になるならまだしも、問題はそれら副産物が工場ではただの廃棄物として扱われることです。この問題は、しばらくして重要な展開をみせます。1920年代半ば以降の「農工結合体」論において、農産物加工で生じた副産物を火力発電の燃料とする構想が脚光を浴びたからです。こういう仕方で自然と人間との間の物質のやり取りがなされるならば、大量生産・大量消費の経済の仕組みより大分マシではないでしょうか。近年の環境社会主義の議論で大きく扱われてもおかしくないような気がしますが、そのあたりはどうなのでしょう?
これが環境社会主義の文脈でチャヤーノフや「農工結合体」が言及されることはあまりないのです。今回紹介した、チャヤーノフ『農民ユートピア国旅行記』の平凡社、2013年版所収の藤原辰史氏による巻末論文くらいしか見当たらないのです。
しかし、現実はスターリン体制での農業集団化と農工分離、そして「農工結合体」論者の粛清でした。しかも、「農工結合体」は、現在でも「忘れられた社会主義」の扱いを受けているようです。それはあまりにも惜しいことだと思います。
小野坂
暑い日はホラーや探偵推理・ミステリーで肝を冷やそう!👹🍧
くまねこ堂の近くにある中華屋さんが『冷やし中華』をはじめました🍧!
私はゴマダレと、冷やし中華ではないですが、
類似メニューの、ジャージャー麺は一回ずつ既に今季食べに行きました。
さてさて、タイトルの通り、
ちょっと怖いものが読みたい季節になりましたね!👹👻
京極夏彦の百鬼夜行シリーズ、文庫版コミックが入荷しましたので、ご紹介します!
コミック版 魍魎の匣(下) (講談社文庫)
2019年に舞台化もされた「魍魎の匣」♪
まだコロナ禍になる前だったんですね。観劇に行かれた方も結構多かったのではないでしょうか。
京極夏彦といえば、超長編★めっちゃ分厚い文庫📖
文庫であの読み応えってなかなかないと思います。
文庫なのに持ち運びに不便な珍しい文庫(笑)!!
(これ、別にクレームを入れているわけではないです、それも愛嬌ってことで(笑))
ですから、途中で力尽きた京極夏彦の小説がおありの方、いらっしゃいませんか?!
これはコミック版で敗者復活戦(?)が出来そうです🔥
そして小説版をお読みの方なら、コミック版ももちろん楽しめると思います~~📚
ちなみに、このコミックの厚みは、、、
約2.5cmでした!
スゴイ!京極夏彦なのにかなり普通の厚さくらいになってる!!!!
帯の通り、これなら一気読みが出来そうです😊
かこさん
マイケル・ジーレンジガー『ひきこもりの国――なぜ日本は「失われた世代」を生んだのか』河野純治訳(光文社、2007年)を紹介します~hikikomoriという英単語
いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。
古書を検品していて、現在ではよく知られているある話が、約20年前の新刊書で書かれていた内容であったことに気づきました。こうしたことは、ままあります。
それは、日本語のローマ字表記そのままで英単語として通用している、ある単語についてのことです。代表的なものは、過労死(karoushi)ですが、ひきこもり(hikikomori)も英単語になっています。social withdrawalという、社会からの撤退を意味する言葉もありますが、過労死同様、ひきこもりも日本特有の問題を表す語として用いられています。
今回は、英単語のhikikomoriを定着させたであろう書籍の一つを紹介していきます。
マイケル・ジーレンジガー『ひきこもりの国――なぜ日本は「失われた世代」を生んだのか』河野純治訳(光文社、2007年)です。著者のジーレンジガーは、日刊紙メディア・ナイトリッダー社の東京支局長を7年間務めた経歴を持つ国際的なジャーナリストです。彼は本書冒頭で、「日本人のなかには、ひきこもりというのは、たんに甘やかされて育った若者で、社会に出て働いたり、他者と交わることを嫌うのは。彼らが『怠け者』だから、あるいは自分を溺愛する親のすねをいつまでもかじっていられるからだ、と考える者もいる。しかし私の分析では、これとはまったく異なる側面が見えてくる」と、日本の読者に向けて述べています。
では、ジーレンジガーは日本の若者をどのように捉えているのか。上記の引用に続く文がこちらです。
「ひきこもりの若者たちの多くは、頭がよく、繊細で、きちんと自己認識ができている。彼らは日本社会にはびこる偽善や閉塞感を、親や教師よりも明確かつ切実に感じとっているのだ。……彼らが経験している日本という社会では、表立った反抗は容認されない。だから、内側に逃げるしかないのだ。彼らが自分たちの不安、反発、探求心を表現するための空間は、安全な寝室の中にしかないのである」
このようにジーレンジガーは、「ひきこもり」の原因についての認識を改める必要性を説いています。「日本が自己を見つめ、自発的に変わっていくことは可能だ」と信じているジーレンジガーの分析を、私たちは正面から受け取る必要があります。
そうすると、ひきこもりの若者たちが感じとったとジーレンジガーが考える、「日本社会にはびこる偽善や閉塞感」とは何なのでしょうか。ジーレンジガーは同書序章で、1990年代以降の情報技術(IT)産業が牽引したグローバル経済において求められることと、日本がそれ以前の時代において経済的成功を果たした要因とが、大きく異なっていることを指摘しています。
「ITという力を獲得した新しい世界は、技術革新が持つ変容の力に高い価値をおいた。この新しい世界は、個人に対して、知識獲得の機会を増やし、他者への影響力を拡大し、優れた自己表現の手段を提供してくれるように思われた。すべては市場への貢献度で判断され、同じことの繰りかえしや結束力よりも、批判的思考や鋭敏さが評価された」、というのが1990年代以降のグローバル経済の性格の一つです。それでは日本はどうなのか、ということが気になるわけですが(もはや想像がついてしまっているでしょうが)、ジーレンジガーは次のように述べています。
「だが、日本は目覚ましい経済発展の過程で、そのような多様で寛容な環境はいっさい作ってこなかった。それどころか、ゴムのプランテーションさながらのモノカルチャー化を進めてしまった。同じゴムの木ばかりが定規で引いたように一直線に植えられ、等間隔で列をなし、どの木も全く同じ方法で栽培され、もっとも効率的に樹液を集められるように、定められた高さまでしか成長することが許されない。日本は、どちらかといえば厳しく管理された閉じた世界で繁栄してきた」
というわけです。したがって「失われた●十年」といわれてきましたが、この問題は、あったはずのものを回復すれば(すなわち、取り戻せば)解決するわけではないのです。そうではなく、新たな環境に適応するための基礎を、これまた新たに獲得しなくてはならない、という形で考える必要があります。
▲同書29ページ。「いったい、日本に何が起きたのだろうか?」
こうした指摘は、現在では一般に受け入れられている内容ではないでしょうか。ジーレンジガーの著作を受けて、ひきこもりの人々が持つ「不安、反発、探求心」を、「批判的思考や鋭敏さ」として評価しうるような社会のあり方について改めて考えることが、日本社会の諸問題を理解する第一歩となるに違いありません。こうした、今となっては基本的な認識となった見方について、その基となったであろう著書を振り返ることは、一見すると迂遠に思われますが、意外にも現在の問題を直視することにもつながります。そうした形で、古書に注目してくださいますと幸いです。
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小野坂
実用書などを買取いたしました!Part 3ー本のご紹介📚ー
日の長さを感じる今日この頃です。
皆さまいかがお過ごしですか。
先日、実用書をたくさんお譲りいただきました。
その中から、また面白そうな本を紹介したいと思います。
こちら「使う!ロジカル・シンキング」。(久保田康司著・日本実業出版社・2021)
私はハイコンテキストな話し方をするとか、遠まわしで何を言いたいのかわからないと言われることがあります。この本を読めばそれを脱せるかな…💦
目次にはたくさんの項目が並んでいますが、自分の興味のあるところから読んでよいとのことです(著者「プロローグ」)。
以下のように、具体的な会話例から、学ぶことができます。
論理的であることは、ビジネスでも重要なことかと思います。このような本で、身につけたいものです。
続きまして紹介するのは「読解力の強化書」(佐藤優著・クロスメディア・パブリッシング・2021)
有名な佐藤優氏、こんな実用書も出しているのですね。
目次を見ると、夏目漱石や三浦綾子の小説で読解力の講義を行っています。
佐藤優氏がどのように夏目漱石や三浦綾子を読むのか、という意味でも、興味深いです。
以上、日常生活でも役立ちそうな実用書をご紹介しました。
くまねこ堂では古本はもちろん、CD/DVD、ゲーム類、古道具、アクセサリーや時計、万年筆など、幅広いジャンルの商品を見ることが出来ます。
ちょっとしたご整理はもちろん、遺品整理やお引越しの際などの大量の不要品なども一度に見ることが出来ます!
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最後までお読みくださりありがとうございました。
コトー