アイスをそこに入れては・・!
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人気ブログランキングへ 現在4位です(本・読書部門)、どうもありがとうございます!
今日はお客様をお迎えしました、とあるジャンルのコレクター様です。
先週にもお越し下さったのですが、商品を全部見きれなくて今日もいらして下さり、
そして今日でも全部見きれなくて、来月にももう一度お越し下さることになりました。
けっこう遠方からわざわざいらして下さっているんですよ~
何度も誠に恐縮です、どうもありがとうございます!
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今日はこちらの本をご紹介いたしましょう。
「通叢書 菓子通」三好右京著/四六書院/昭和5年発行
昭和5年に発行された、お菓子の本です
装丁も素敵ね!
パラパラとページをめくると、全体の2/3くらいは和菓子のことが、
1/3くらいは西洋菓子のことが書かれています。
カステラ、チョコレート、ココア、ビスケット、キャラメル、アイスクリームなど、
今でもおなじみの名前が並んでいますね。
けれども明治時代には、西洋菓子は思うように発達しなかったようです。
勤王佐幕攘夷開港の議論も明治維新という大きな劇となって、
其後は再び王政の御代に復興したのであるが、西南の役の終わるまでは、
未だ不穏の気圧が磁針を動かしていたので、(西洋)菓子の発達もまた遅々として進まなかった。
然るに西南の役を終わって日清の役に至る間は、唯だ夫れ、西洋崇拝の時代であって、
食事は洋食、お茶はコーヒー、政体も西洋というように、文物典章すべてが西洋のそれのように。
進んでは西洋人と結婚して人種まで改造せんなどという極端な議論をさへ
主張する者もあって、明けても西洋、暮れても西洋、西洋ならでは夜も日も明けないと
いふ時代に在っても、菓子のみは文化の潤いが低いだけに、新思想とは反比例して
まだ発展の機運すら芽生えなかった。
(抜粋。一部現代かなづかいに直してあります。)
いやはや、明けても西洋、暮れても西洋、人種まで改造せん、とは・・・(汗)
明治時代にはそんな感じだったんですね
こんな逸話も載っていました。
明治の初年、日本政府の大官が、欧米各国に出張を仰せ付けられたとき、
未だ饗応の食卓に馴れない当時であったのだろう。
さぞ珍味なケーキであると思って、ひそかにポケットへ忍ばせたものが、あにはからんや、
それがアイスクリームであろうとは、当の本人はホテルに着いて、
ポケットに手を入れるまでケーキであると信じて居ったと、嘘のような話だが
事実であることは、当の本人が帰朝後のみやげ話として刊行した「赤毛布」に出ている。
それだけに日本人のアイスクリムに対する歴史の新しいことを証拠立てるのであるが、
欧米では十七世紀の初め頃から凍結法が試みられている。
それは、カップを凍氷で製し、その中に果実をいれて凍結せしめ、
之を食卓に供した事実があるのである。
(抜粋。一部現代かなづかいに直してあります。)
あはは、お役人さん、ポケットに手を入れた時はビックリしたでしょうねえ!(´∀`)
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