西村總左衛門の天鵞絨友禅(ビロード友禅)/東京都江東区で、新しいビジネス書、実用書、ビジョナリーカンパニー、7つの習慣などお譲り頂きました。
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ちょっと前の話になってしまいましたが。
先日永田町に出張買取りに行った際に、ついでに「宮内庁 三の丸尚蔵館」に行って
「内国勧業博覧会-明治美術の幕開け」の第三期を見てまいりました。
(その日のブログに書くつもりが、スッポンの話で終わってしまった(;^^))
第一期、第二期、第三期と全部見逃すことなく見ることが出来て、大変嬉しかったです!
いずれも素晴らしい作品ばかりでありました。
今回のこの展覧会で、個人的に一番の収穫だったのは、
「西村總左衛門」と「天鵞絨友禅(ビロードゆうぜん)」の名前を知ったことでした。
西村總左衛門「天鵞絨友禅嵐ノ図」(明治36年 天鵞絨地、友禅染)
縦200センチ×横146センチという、大変迫力のある大きな作品なのですが、
これ、絵画ではなくて織物なのです!
友禅染による絵画的表現の優れた技術に加えて、部分的に天鵞絨の輪奈を切ることにより、
光沢感や色彩に奥行きが生まれており、一見して油彩画のような雰囲気がある。(中略)
本作以外にも宮内庁には明治30~40年代にかけて制作された天鵞絨友禅による
額装作品がいくつかまとまって伝えられており、洋風建築の宮殿の装飾品として
使用されていたこれらの品々を見ても、明治後期から大正初期にかけて、
天鵞絨友禅は一世を風靡した美術染織であったことがわかる。(図録より)
今回の展覧会で、この西村總左衛門作の天鵞絨友禅を何点か見ることができたのですが、
わたくしすっかり惚れこんでしまいました。ああ、本当に素晴らしい・・・
洋風建築の宮殿などに飾るために作られたということは、
きっと皇族や華族、あるいは大財閥といった大金持ちしか所有していなかったんでしょうねえ・・
現存している当時の物は数少なく、実に貴重ですね。
作者の西村總左衛門についても触れておきましょう。
西村總左衛門(1855~1935)は、弘治元年(1855)に法衣商(千切屋)として創業し、
江戸時代中頃より友禅を商うようになった老舗(現在の株式会社千總)の当主で、
十二代目にあたる。明治11年頃より友禅染の技術改良に取り組み、
輸入された合成染料を用いて、天鵞絨友禅、鴨川染という新しい技法を開発し、
その後の友禅染に大きな展開をもたらした。
一方で西村は岸竹堂をはじめとする日本画家たちに染織の下絵を依頼して、
意匠の刷新と展開を図った。これ以降、京都画壇を代表する画家たちが数多く
染織下絵に関与しており、西陣を中心に新技術による大型の美術染織が
内外の博覧会に出品されて高い評価を得るようになる。(図録より)
第三期は今週の日曜(2012/7/8)までやっています。
写真では実物の迫力はとても伝わりません、じかに見ると本当に素晴らしいですよ、
ご興味のある方はぜひぜひ!
しかしこういった展覧会や美術展を見にいくのは本当に楽しいです。
作品を見ること自体ももちろん楽しいのですが、それに加えまして、
「いつかこんな品物が買い取りで入ってくるかもしれない」
とワクワクするからです(笑)
美術品も入って参りますし、くまきちが今のペースで仕事を続けている限り
可能性は常にゼロではないと思うのです。
夢はでっかく!希望は大きく!
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