能面鑑賞入門の決定版!「能面の世界(コロナ・ブックス)」
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くまねこ堂通信
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5位です(本・書籍部門)、どうもありがとうございます!
この本はいい本だなあ~~
「能面の世界(コロナ・ブックス)」西野春雄、見市泰男著
写真も美しいし解説もわかりやすくて、初心者の強い味方です、ぜひおススメ!
コロナ・ブックスのシリーズはほんとにいいですよね~。
お能の面は、まずその種類の多さにビックリさせられてしまいます。
能面の種類は約250種類と言われているようです、そのうち基本形は約60種なのだとか!
「見て一発で言い当てられるようになれたら、かっこいいだろうなあ!(。+・`∀・´)v

」
と憧れるのですが、とてもとても・・・記憶力が猫頭なワタクシには到底無理ですネー(TT)
と、大変種類の多い能面なわけですが、少しだけご紹介してみますね。
能面といったらやはりこれが思い浮かびますね!女面。
「増(ぞう)・増女(ぞうおんな)」 出目是閑(でめぜかん)作
一口に「女面(おんなめん)」といっても、
若い女性からお婆さんに至るまで様々な種類がございますが、
この「増」は神や天女など、品格があり気高い役に使われるそうです。
年齢は30代くらいなのでしょうか、落ち着いていて気品があって
素敵だなあと思います。
そしてこちらも、能面の中で最も有名でしょう、般若(はんにゃ)!!
「般若(はんにゃ)」 井関親政(いぜきちかまさ)作
いやーーー、やっぱり、
怖いですねーーーー!!
般若は言うまでもなく、女性の怨霊(たいてい嫉妬に狂った・・)を表しています。
・・・ワタクシどもも常日頃、「般若」ではなく「増女」の顔つきでありたいものですね


もちろん女性ばかりではなく、男性の面もありますよ。
「平太(へいた)」 出目栄満(でめよしみつ)作
勇猛な武将の役などに使われるそうです、いかにも精悍で男らしいですね。
うん、これくらいなら今でも普通にいそうな顔立ちで、ちょっとホッ(笑)
・・・ワタクシ、このお面を見た時最初、
コメディアン
かと思ったのですが・・・・
「大飛出(おおとびで)」 赤鶴(しゃくづる)作
「威風堂々とした神」として登場する面だそうですよ、ヒエーーー!!
コメディアンなんて思ってゴメンナサイーー

最後はこちら!
「獅子口(ししぐち)」 赤鶴(しゃくづる)作
・・・・・・すみません、ここまで来てどうしても、
吹き出しを付けたい誘惑に抗えませんでした・・・・・・
神聖なお面にごめんなさい・・・・
(でもほんとは上の「大飛出」にも
「うひょおぉぉぉ!!」とか言わせたい!(;゜Д゜)ハアハア)
この面はその名前の通り、霊獣である獅子の面だそうです。
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ちなみに能面は、
「明治維新以降、欧州での能面珍重の波に乗って、実に膨大な数の能面・狂言面が海を渡り、
欧米の美術館に入っています。ここ十数年来の私の調査でも、
その数三千は下りません(本書より)」
あら・・・・・能面も、かなり多数の貴重な物が、海外に渡ってしまっているのですね
「面を美術骨董品にしてしまっては、面のためにあまりに気の毒である。
面は舞台でこそ、その生命を永遠のものにする。
長い年月、舞台と共に生きてきた能面には、
すぐれた役者と共にみごとな花を咲かせた倖(しあわ)せな想い出も、
自分の美しさを引き出して貰えなかった無念さもたくさん蔵(しま)いこまれていることだろう。
それを思うと、能役者たるものは、たとえどんな面でも、
その面のよさを十二分に生かす能を演じることが大切だし、そうすることによって、
役者自身も、自分以上のものに生かして貰えるのだと、つくづく思う。」
観世寿夫『能面、その内なるドラマ』より
ああ・・・
ワタクシの個人的な例で大変恐縮ですが、
ヴァイオリンなどの楽器を装飾品として飾ってあるのを見た時に感じる複雑な思いと
似ているのかなあ・・・とちょっと思いました。
(最初から装飾品として作られているものは別として)
楽器もやはり演奏してもらえてこそ生命が吹き込まれるものだと思うので、
ワタシなぞは切なく思ってしまうのです。
「異国の地で、幸せな思い出や無念さ、さまざまな思いを打ち深く蔵しているに違いない
おびただしい能面や狂言面。展示されているならまだ救われますが、
誰にも見られることなく収蔵庫の片隅でひっそりと眠っている圧倒的な数の能面群。
複雑な思いでした。(本書より)」
なるほど・・・・・考えさせられますね