新年明けましておめでとうございます!
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新年明けましておめでとうございます!
(*≧∀≦)∠※PAN!。.:*:・’゚☆。.:*:・’゚★゚’・:*
今年一年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう、心からお祈り申し上げます!
でも、えーーと、くまきちは、
いきなり寝込んでます・・・_| ̄|○
気の毒に風邪っぴきのままの年越しとなってしまい、
大晦日の昨日も正月の今日も、ごはんを食べに起きてくる以外は
ずっと爆睡であります・・・
だもんで元気いっぱいの私ははっきり言って
暇デス~~(*´д`) (こらこら)
まさか寝込んでいるくまきちを置いて遊びに行くわけにもいきませんので、
結局今はやりの(?)”巣ごもり年末年始”を自ら過ごす羽目になりました。
”巣ごもり”のお供はもちろん本でございます、読む本には事欠きません、
古本屋でラッキ~~┗(;´∀`)┛
さてそんなこんなで、昨日今日で読んだ本はこの3冊。
「果ての花火―銀座開花おもかげ草紙」松井今朝子/新潮社
「御手洗潔対シャーロック・ホームズ」柄刀一/東京創元社
「松本泰探偵小説選〈2〉 (論創ミステリ叢書)」松本泰/論創社
どれも面白かったですよ!
「果ての花火」は明治の世、主人公の周りで起こる様々な事件を描きながら、
旧い時代と新しい時代との狭間に戸惑いながら懸命に生きていく人々の生活を
写しだしています。
「御手洗潔対シャーロック・ホームズ」も面白かった!
ユーモアたっぷりのホームズ・パロディも笑ってしまったし、
あと古代遺跡の謎の解釈も非常に面白くてワクワクしました。
そして「松本泰探偵小説選〈2〉」。
松本泰(まつもとたい・1887~1939年)は作家で、日本における探偵小説の先駆者です。
自ら「秘密探偵雑誌」などの雑誌も発行しました。
松本泰の作品を読むのは初めてだったのですが、面白かったですよ!
なんというか、強烈なインパクトや個性があるわけではないのですが、
手堅く品が良いと申しましょうか、安心して読める感じの作品ですね。
本人自身の言葉に、その作風は良く表されていると思います。
私はこの一巻の中に傑作と誇るべきものがあるとは思わない。
けれども読むに耐えぬ駄作ばかりだとも思わない。
ちょうど私自身がいつものっそりしているように、私の作品も至極呑気に、
のっそりしているに違いない。
(「現代大衆文学全集 第15巻」平凡社/1928年より)
本の後ろのほうには評論やエッセイも載っていたのですが、
こちらもなかなかユーモラスで面白かったです。
あとこんなインタビューも載っていて、へえ~~と思いました。
1925年の読売新聞に掲載されたもので、
「日本では、探偵物の創作になぜ傑作が出ないか?」という質問に対しての答えです。
そうです、日本人の書くものはまだまだ幼稚なものばかりで
とてもお話になりません。
小酒井不木さんとか馬場弧蝶さんとか、みな深く研究していられるが、
いざ創作となると優れたものはない。
岡本綺堂さんの「捕物帳」でも外国物を日本の時代物に翻案した物だという話だ。
しいて言えば、日本では最近「心理試験」を書いた江戸川乱歩さん、
唯一の探偵文芸作家と言えましょう。
まだ日本は翻訳時代あるいは混沌時代とでも言いましょうか、
立派な作家の出るのはこれからなんでしょう。
いったい日本は探偵物のテーマに乏しいので困る。
(中略)
日本人の生活が、機械文明の発達した欧米とは全く違い、
障子一重で隣室と接している有様だから、他人の生活内面を知りやすい。
しかるに西洋では厚い壁でキチンと区画されたアパートメントに、
合い鍵を一つ持って生活しているという風で、
隣室の主人をさえ知らないことがある。
したがってその集団生活の中には、何かしら一種のミステリーが醸成され、
色々な犯罪を複雑に色づけてゆく。
そこに探偵創作のヒントも拾われようというものです。
日本ではそれが無いために、私共のように探偵雑誌をやっていても、
いい材料が乏しいし、結句いい創作も集まらないので、
非常に苦しむのみならず、少し芸術味を豊かにして高尚にしようとすると、
ファンがつまらぬ、くだらないといってくる。
まったくこの混沌時代は面倒が多いのです。
面白いな~~、時代を感じさせるなあ!
日本の住居はまだまだ障子一枚で隔てられている感じだったのね、
今では西洋同様がっちりプライバシーが確保されてますもんね・・
そして江戸川乱歩がまだ新人なのね、
でもすでに「唯一の探偵文芸作家」と言わしめている、やはりすごいですね。
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