戦中の紙芝居の風景 /東京都足立区で、銀の優勝カップ、ワンピース(one-piece)、赤本、学習参考書などお譲り頂きました。
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「紙芝居の実演」という古い本が入ってきました。
「紙芝居の実演 第一歩の理解」砥上峰次/日本教育紙芝居協会
紙芝居、子供の頃大好きでした!
街頭で見た記憶はないのですが、家で母が読んでくれたり、
自分で読んで聞いてもらったりしたのをおぼえています。
今ではもうほとんど普及されず見られなくなってしまった紙芝居ですが、
戦前・戦後には非常に盛んであったようです。
この本には奥付に日付が書かれていないのですが、
文章から察するに、おそらく戦中に書かれた本だと思われます。
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紙芝居は今重すぎる程の負担を与へられております。
国家的な啓蒙宣伝の利器として 重大な国策を小さい形の中に含めて
全国的に配給されて 人心の機微にふれて正確迅速に徹底させること、
時局下の厚生運動の一翼として 殊に農山漁村或は鉱炭山の健全慰楽として与へられること、
占領直後の宣撫工作乃至は永久的建設工作として他民族の指導に当たること、
教育保育の教具として教育効果を一層高めること、
之を総合して言へば文化運動の有力な一分野を受け持つて居るのであります。
我が国で今頃紙芝居が使はれるのは即ち今迄の文化政策が不徹底であつたからだとも言ひ、
此の様なものを喜こぶ民衆の生活、文化の程度の低さを示すといふ様なことを言ふ人もあります。
然し何といはうと現実は紙芝居でも極めて必要とする状態なのであります。
(抜粋。旧漢字は今の漢字に直してあります。)
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今では紙芝居というと=イコール子供向け、というイメージしかないのですが、
当時はずいぶんと重要な役割が与えられていたのですね。
この本にも、紙芝居の利用と研究・社会的な役割・実演に当たっての心構えやコツなど、
本一冊ビッシリと書かれており、当時の力の入れ具合が感じられます。
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全体伴奏として音楽を使ひ 又数人で協同して実演に融合した伴奏を
或は尺八で、或はピアノ、オルガン、手風琴等でつけることはよいでせう。
(抜粋。旧漢字は今の漢字に直してあります。)
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伴奏楽器にまず尺八が来るあたり、時代を感じさせます。
「手風琴」(=アコーディオン)という言葉も、いかにもレトロで素敵ですね。
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