「板谷波山の夢みたもの 没後50年・大回顧」に行ってきました /東京都目黒区、大田区、埼玉県さいたま市で、棟方志功、田崎広助、森田曠平、林喜市郎、織田廣喜、熊谷守一、山下清、全集、木版画、エッチング、油彩画、色紙、美術書、色紙などお譲り頂きました

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出光美術館で現在開催中の、
没後50年・大回顧 板谷波山の夢みたもの―〈至福〉の近代日本陶芸
に、くまきち(夫)と行って参りました。
⌒Y⌒Y⌒ ヾ(*´∀`)ノ ⌒Y⌒Y⌒ ヾ(*´ω`)ノ

板谷波山はその作品を通じて、気品と格調の高さ、誠実な真面目さを感じることができ、
個人的に好きな芸術家の一人であります。

板谷波山(いたやはざん・1872~1963)は、近代日本を代表する陶芸家です。
東京美術学校・彫刻科で学び、
その彫刻の技を生かした精緻な「薄肉彫(うすにくぼり)」や、
全体をマット(つや消し)の不透明釉をかけることで
ソフトで幻想的な表現を可能にした「葆光彩(ほこうさい)」など、
格調の高い独自の技法を生み出しました。

今回展示されていた作品を、図録よりいくつかご紹介させていただきます。

「葆光彩磁草花文花瓶」板谷波山/大正6年(1917)

これがその、「葆光彩(ほこうさい)」という
波山独自の技法が用いられている作品の1つです。
葆光彩により柔らかい色に包まれており、非常に優美な作品に仕上がっています。
一見規則的に並んでいるかのように見えるチューリップですが、
実は花の向きは少しずつ異なっているのだそうです。

 

 

「淡黄磁扶桑延壽文花瓶」板谷波山/昭和10年(1935)頃

波山といえばやはり、美しい白!
この作品は「淡黄磁」と呼ばれる柔らかくほんのり黄色がかった白ですが、
その他にも波山は
「白磁」「氷華磁(ひょうかじ)」「蛋殻磁(たんかくじ)」「凝霜磁(ぎょうそうじ)」
など、同じ”白”でもわずかな色の違いを
様々な美しい呼び名で鋭敏に使い分けました。

ちなみにこの作品、よく見ると、扶桑の根元には二頭のワンちゃんがいます。
この犬たちは、昭和10年頃に波山宅で飼っていた北海道犬がモデルだと
言われているそうです(*´エ`*)

 

 

「窯変磁花瓶」板谷波山/昭和時代前期

虹色から薄紫色へと窯変し、頸から胴にかけて一面に金の星が散ります。
明治末期には、星を観察するための星座早見表が一般に売り出され、
やさしく書かれた天体入門書も数多く発行されたそうです。
その頃の人々の天体への憧憬や夢を、
波山の作品にも重ね合わせて見ることができるのかもしれません。

 

 

「彩磁竹幹花瓶」板谷波山・明治43年(1910)

青色は日露戦争後、「勝色(かちいろ)」の名で流行(軍服が青だったため)。
また大正時代には、着物の色彩としても青や紺が流行し、
青は都会的なファッションと響き合う色であったそうです。

 

 

「彩磁玉葱形花瓶」板谷波山/明治30年代

若き日の波山の作品で、波山と号する前の作品で、銘はまだないそうです。
彫刻的な表現が目を引き、
やがて彫刻的造形から薄肉彫の彫文へ進む以前の状態がうかがわれるという意味でも、
興味深い作品であるということです。

 

 


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