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さて、今日はこちらの本をご紹介しましょう。
昨日入ってきました。
明治42年に発行された本です。
「噫医幣」煙雨楼主人(長尾折三)/吐鳳堂
著者の長尾折三(ながお・せつぞう/1866-1936)は、
・医文学出版人。高松藩医、長尾篤斎(とくさい)の長男。
・名は折三、号を藻城
(参照)
タイトルになっている「医幣」とは、
「医の弊風・悪習」を表した言葉のようでございます(参照)
要は、当時の医学界のあり方を「甚だしい!」と嘆き、糾弾している内容なわけです。
パラパラとめくってみますと、・・おや、なかなかすごいことが色々と書かれています
一部ご紹介してみましょう。
「古(いにしえ)は医道といい、医を以て道としき。
今は『医業』という。
医をもって業となす、現代医師志願者の理想は、医業をなさんとするに在り、
しかして医業をなすの目的は、利益を得むとするに在り。
より多く利益を貪ろうとすることにあり、
しかも美名の下に利益を得むとするに在り。」
一部の病院広告について、
「彼らは臆面もなく淫猥の文字を羅列して揚々自得たり、
ただ科学と云える美なる名目の下に隠れて、風俗上の責を免るるのみ。
夜間診療と云い、秘密治療と叫び、皮肉なる広告手段は
人をして嘔吐を催さしむる者あり。」
「また某大病院のごときは、盛んに清国留学生を入院せしめ、一面において
見目よき妙齢の看護婦を養成し、一房一人制の病室は
ほとんど吉原、洲崎の娼楼廻部屋に彷彿たるものあり。
しかも患者と称する清国留学生の疾病の有無は疑わしく、
彼らが放蕩の結果故国より学費の追送をあおぐ上において
病院名の肩書きを使用するあるは偶々以て
父兄の信を繋ぐの便に供す」
「歯科医師試験問題漏洩の嫌疑事件あり、
また東京における医術開業試験問題漏洩のことあり、
犯罪者は文部省の一属僚なりといえども、これらのことを誘惑敢行せしもの
またもってその責を分たざるべからず。」
すでに明治時代から、色々な問題があったんですねえ・・
面白いのは、一番最後の「結論」の章にこんなことが書いてあるんです。
「筆者は涙なく血なき木石漢にはあらず、他日ある異りたる方面に筆を着け、
天下の『患者弊』を絶叫し、もって本編の対象たらしめむ。
ある意味における今日の敵手は、他日絶好の見方として
医人間に迎えらるるの機会あるべきを予言し置かむ。」
患者弊!今でいう、モンスターペイシェントみたいなのもすでにいたってことかしら。
結局、いつの時代も変わりませんね・・
でもネットで調べてみたけど、この本は見当たらなくて。
結局書かれなかったのかな?
今日は埼玉県川口市、草加市、三郷市で、
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