明治大正昭和の珍商売 /東京都江戸川区と埼玉県日高市で、宗教書、思想哲学書、建築、デザイン、郷土史、歴史、芸能、落語、歌舞伎、文学、下町などの本をお譲り頂きました。

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こんな本が入ってきました。

状態はボロボロなのですが(テープ補修しまくりだし(;^^))
怪しい雰囲気がして面白そうです(笑)

「明治大正昭和 珍商売往来80年物語
 これは奇抜珍妙、不景気をけつとばした珍商売往来風俗史決定版」
デカメロン3月号付録/全日本出版社/昭和28年発行

「デカメロン」という雑誌の付録のようですね。
昭和28年(1953年)発行といいますから、2011年の今からすると
80年ならぬ138年物語でございますね!:wink:

中を開いてみますと、例えば「投身防止業」なる仕事が書かれておりました。
明治36年、藤村操という18歳の青年が日光の華厳の滝から投身自殺をし、
その後しばらく青年の後追い自殺が後を経たなかったという事件がございましたが、
「サテ、このような華厳行青年の排出に目をとめて、商売のアタマを働かして、
 早速罷り出たのが、表題のごとき投身防止やである。
 華厳の滝の上あたりに隠れていて、こいつ飛びこみそうだナと思う者がいたら、
 とびだしていって、『チョイ待ち!』と引きとめるのだ。
 そしてジュンジュンと意見をして、死を思いとどまらせ、その自殺未遂者から礼金をもらう。
 うまいときは、その男(或は女)の親からも謝礼金をもらうことができた。
 そしてそうした謝礼は、防止屋の方から請求するまでもなく、
 先方から自発的にくれることが大半だろうから、表向きもテイサイがよかったわけだ。」
まあなんにせよ人の命が助かるわけですから、良いこと・・なんでしょう(;^^)
ちなみにに後年、上記のような商魂からではなく、ただひたすら人命救助につとめたかたも
出てきたそうです(土地の旅館の番頭さんだったらしい)。

お次は「地見屋」なる仕事を見てみましょう。
「地見屋」=物を拾う名人なのだそうです。
「地見屋は、天気でさえあれば、毎日かならず町に出動する。そして下を見ながら、
 つまり地面をニラミながら、歩き廻るのだ。
 といつても、所定めずヤタラに歩くだけでは勿論ない。
 上野、浅草、新宿のような盛り場とか、乗降客の多い駅の構内とかいつた人の寄り集まる場所が、
 地見屋にとって最もいい稼ぎ場。
 夏ならば海水浴場。それも人が去つたばかりの夕刻がいい。縁日も悪くない。(中略)
 彼らに拾い物のコツをきいてみると、見つけたら足の下に踏ンずけながら、
 すぐに拾つてしまうことだという。決してキョロキョロとあたりを見廻してなどしていてはいけないそうナ。
 この地見屋商売は、大正から昭和初期にかけて、最も数が多かった。」

へえ・・やる人が多かったということは、けっこう儲かったんでしょうかねえ(汗)


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