古本・なつかしもの屋 くまねこ堂

くまねこ堂・妻のブログ

「没後100年 宮川香山」展に行ってきました!1

カテゴリー/レジャーくまねこ堂通信


よろしければ応援ワンクリック :upup: お願いいたします!

 

サントリー美術館で現在開催中の、
「没後100年 宮川香山」展に行って参りました!

真葛焼(まくずやき)の創始者である宮川香山(みやがわこうざん/1842 – 1916年)は
自分が個人的に好きな陶芸家の1人でありまして、
展覧会は以前も見に行ったことがあるのですが、やはり何度見てもシビれます!

(以下、図録・チラシ・音声ガイドを参照しながら、
 面白エピソードも交えてご紹介させて頂きます)

———————————————————–
香山といえば、まずはやはり、超絶技巧の高浮彫からご紹介しなくてはならないでしょう。
明治時代、香山は、陶器の表面を彫刻したり、細工した造形物で装飾するなどした
独創的な技法「高浮彫」を生み出し、「真葛焼」として売り出しました。
超絶技巧の限りを尽くした香山の作品は「マクズウェア」と呼ばれて
またたく間に欧米諸国を席巻して絶賛を浴び、
万国博覧会や内国勧業博覧会で受賞を重ね、
「けだし見る者、その価を問わず購入せしめんとす」
と、値段に関係なく競って購入されたといいます。


「高浮彫四窓遊蛙獅子鈕蓋付壺」宮川香山/明治時代後期/田邊哲人コレクション

こちらは、私がたぶん個人的に一番好きな作品でございます:hoshi1:
胴部の各面の4か所、楕円形に大きく窪ませており、
その中では可愛らしいカエルさん達が思い思いの時間を過ごしています
なんともユーモラスで可愛らしく、
また細部まで精密に施された細工や模様には感嘆する他ありません。

———————————————————–

当時海外で、真葛焼がどれほど人気があったかを伺わせる
興味深いエピソードがあります。

明治26年(1893年)に開催されたシカゴ・コロンブス万国博覧会に、
香山は日本と中国の国宝級の陶芸品20種類以上を彫刻にして装飾した、
大きな花瓶一対を出品しました。
この作品は大変制作に苦労し、完成までになんと8年(!)もの歳月を要し、
制作が終わった後に香山は病気になってしまったほどだったそうです。

博覧会に出品した結果は、欧米人から「世界の陶器王」とまで称せられ、
名誉金牌を受賞して高い評価を得、買い手が多くつきました。
中でも2人のアメリカ人が、この花瓶の購入を巡って争うことになりました。
問題が大きくなることを懸念した香山は、一体どうしたでしょうか・・・!?
なんと現地にいた、後の2代目となる宮川半之助の手によって、
作品は粉々に叩き壊されたのだそうです!!

8年もの歳月をかけて精魂込めて作り上げた作品を粉々にしてしまうとは、
自分のような常人にはまったく想像もつかぬことであります・・・orz
その心中はいかばかりかと思うのですが、後に香山本人はこう語ったそうです。

「おかげで平和に解決できたばかりではなく、私の信用は以前にも倍して
 加えられたから、非常に愉快に思ったのである」

色んな意味で凄いです、恐るべし宮川香山!(汗)
しかし一体どんなにか素晴らしい作品だったことでしょう、
見たかったですよねえ・・

(この逸話は、「帝室技芸員逸話 花瓶を粉砕して日本魂を示す」
 『日本美術協会報告 第百十九号』明治31年 に載っているそうです)

———————————————————–


「高浮彫桜ニ群鳩大花瓶」宮川香山/明治時代前期/田邊哲人コレクション

もう一点、高浮彫の作品をご紹介いたします。
鮮やかに咲く桜の花や枝ぶりといい、各花瓶3羽づつ配置された鳩といい、
本当にリアルによくできています!
有識文様や全体に広がる金彩、咲き誇る黄色や赤の花もゴージャスで、
きっと外国人好みのデザインなのでしょうね。
こうした複雑な立体装飾を割れないように焼成するのは至難の技で、
香山の並はずれた技術力の高さがうかがえるということです。

明日に続きます!

勝川春章の生誕290年記念展覧会、ダブルで行ってきました!

カテゴリー/レジャーくまねこ堂通信


よろしければ応援ワンクリック :upup: お願いいたします!

 

出光美術館で現在開催中の、
生誕290年記念 勝川春章と肉筆美人画-<みやび>の女性像
に行って参りました!

勝川春章(1726年?- 1793年)は江戸中期を代表する浮世絵師であり、
葛飾北斎の師匠としても知られています。
また、明治~昭和の美人画で頂点を極めた鏑木清方
「肉筆(美人画)は、やっぱり春章が一番うまいと思う」と言って
春章の絵を信奉していたことも有名です。

今回は、その春章の肉筆美人画の数々を見ることができるまたとないチャンス!
大変優美で美しい、すてきな展覧会でありました

図録から、ほんの少しだけですがご紹介させて頂きます。

———————————————————–

「桜下花魁図」勝川春章(1787,88年頃)太田記念美術館

桜がひらひらと舞い散る中、静かにたたずむ一人の花魁。
その静謐な美しさは、見ていてしばし時の流れを忘れてしまいました。

桜の花や、後ろの簾(すだれ)、
着物の細かい模様まで細密に描きこまれ、
腰のあたりから垂れ下がる金糸の一筋一筋も丁寧にあらわされています。

花魁の静かな眼差し、その胸中に去来するものは一体何なのでしょうか・・
見る者の心の中に、深い余韻を残します。

———————————————————–

春章がこのような肉筆美人画を手がけるようになったのは、
その画業においてかなり後半、晩年期になってからでした。
それまでは、役者絵・美人画・相撲絵・武者絵・風景画などの版画で人気を博し、
名実ともに当時を代表する浮世絵師となった春章ですが、
名声を得て以降はそれら版下の仕事を弟子たちにほとんど譲り渡し、
自らは精緻で優美な肉筆美人画の制作に専念するようになったそうです。

ところで、こんな資料があります。(図録より)
春章の死後に出版された、
「諸家人名 江戸方角分」(瀬川富三郎編・1818年頃)という、
江戸各所に住む著名人を職業などとともに収録したものだそうですが、
これを見ますと画家は黒丸(●)で、浮世絵師(浮世画)はバツ印(×)であらわされています。
当時浮世絵師は画家よりも立場が低く見なされていた側面があり、
このあたりも、春章が晩年に肉筆画に専念するようになった動機の
一つであったかもしれません。

ちなみに春章は、職業が「●(画家)」であらわされており、
彼の作品に対する当時の高い評価がうかがえます。

———————————————————–

さて今度は、先ほどの静謐な美人画とはガラリとタイプの違う、
アクティブな美人さんをご紹介してみようと思います(^^)


「石橋図」勝川春章(1783-87頃)

能や歌舞伎でおなじみの主題ですね。
右手に持った牡丹の花が風圧でしなっている様子などから、
躍動感のある踊りの動きが伝わってきて、
艶やかさと共に生き生きとした生命力を感じさせる絵でした!

———————————————————–


「見立江口の君図」勝川春章(1789-92頃)

能「江口」でよく知られております、遊女・江口の君。
物語の最後で、江口の君は自らの姿を普賢菩薩に変え、
乗っていた舟は白象となり、西の空へと去っていきます。

ボワワワンと湧き上がる雲とともに空中に浮かぶ姿は、
非常に臨場感があってドラマチックでした。
あと解説板に、「着物の白地に白い絵の具を重ねた模様」について
書いてあったので目を凝らして見てみたら、
薄~い色で精密な模様がビッシリ描かれてあってびっくり!
細かいところまで妥協を許さない春章の姿が伝わってきました。

———————————————————–

今まで自分の中では、有名浮世絵師たちの中において
勝川春章の名前は地味なイメージがあったのですが、
今回の展覧会を見に行ってそのイメージがガラリと変わりました。
見に行くまでは正直、
「女性の絵ばっかりか~、同性だから途中で飽きちゃいそうだなあ(;^^)」
などと思っていたのですが、実際に実物を見てみると、
その品格のある優美な美しさと、一筆一筆細かいところまでおろそかにしない
精緻な描きこみに、最後までまったく飽きることなく見入られてしまいました、
いやあ素晴らしかったです!
・・いつか春章の肉筆画を、この手にできることを夢見つつ・・

「ハードル高いなぁっ(;;;゜ω゜)」 「ねばーぎぶあっぷ!(`∀´)9」

———————————————————–

そして今、太田記念美術館のほうでは、
生誕290年記念 勝川春章 北斎誕生の系譜
が同時開催されております。
こちらで展示されていたのは肉筆美人画に至る前の版画だったので、
春章の歩んだ道のりをしっかりと知ることができて興味深かったです。
ぜひ両方合わせて足をお運び下さいませ、
片方の半券を受付で表示すれば、100円割引してもらえますよ!

 

ミニチュアお花見:デコレコンコンブル

カテゴリー/くまねこ堂通信


よろしければ応援ワンクリック :upup: お願いいたします!

 

ここのところ、ずいぶんと寒い日が続いておりますが・・・
我が家の片隅ではすでに、楽しそうなお花見が始まっております:hoshi1:

 

これはデコレコンコンブル(DECOLE concombre)という、
様々なキャラクターや小道具を組み合わせて自由に楽しむことができる
ミニチュアのシリーズで、
あまりの可愛らしさにワタクシ、すっかりハマってしまいました:oops:

このシリーズは実にほのぼのとしてユーモラスな雰囲気で、
パソコンの隣に飾って、よく眺めては癒されております。
1~2ヶ月にいっぺん、人形や小道具たちを替えて、
季節に応じた違うシチュエーションを作って楽しんでいます。
なのでまた、違う場面になったらアップしますね!

ちなみに彼らが乗っている台は、

幕末~明治頃に作られた金庫なんですよ、なかなか乙でございましょう?

ところでその横には、

 

まだおひなさまが飾られています(笑)
3月3日もとうに過ぎたのになぜかといいますと、
にゃん母(鹿児島在住)が遊びにくることになったので、見せてあげようと、
しまわないでおいたのでございます。

母が滞在してくれる間は、パンダ子(娘)のお守りを任せられるので、
ワタクシやっと羽根が伸ばせます!!⌒Y⌒Y⌒ ヾ(*≧∀≦)ノ
春は見どころのある展覧会も目白押し、美術館にもできるだけ行きたいです!

江戸時代の根付なぞなぞ

カテゴリー/出張買い取り骨董品・古いものくまねこ堂通信


よろしければ応援ワンクリック :upup: お願いいたします!

 

江戸時代の根付がいくつか入荷しました。
こちらはそのうちの一点なのですが・・・・?

鐘、ですよね。
裏を見てみると・・・

 

 

え・・・この人何やってるんだろう・・・(;;-_-)??

 

にゃん子:
「鐘に紐を縛り付けているように見えるので、職人が修理でもしてるのかな?
 あ、でもよく見たら背中に刀背負ってるなあ、
 刀を背負いながら修理ってのも変よねえ(´・_・)?」

 

 

くまきち(夫):「鐘の中を覗こうとしてるんじゃないの?(・ω・)」

 

一体どんな人が何をしているところなんでしょうねえ、、、
江戸時代に詳しいかた、ぜひ情報お待ちしております(;^^)ゝ

2016/03/07追記:
お詳しいかたに早速情報を寄せていただきました、
いつも誠にどうもありがとうございます!

弁慶の引き摺り鐘(通称「釣鐘弁慶」)の場面ではないかということです。
「普通は縄をかけて引っ張っているんですが、
根付にするためにその前の準備段階?の縄をかけてる場面みたいな感じですね」
と教えていただきました。
私、「釣鐘弁慶」という言葉すら知りませんでした、大変勉強になりました!
もやもやも晴れてスッキリ気分です(笑)、どうもありがとうございました!

 

アマゾンの「ドラえもんラッキーBOX」キター!

カテゴリー/くまねこ堂通信


人気ブログランキングへ

 

おとといアマゾンで、「驚異の防臭袋 BOS(ボス) Mサイズ90枚入り」
を3箱注文しました。

これは匂いがまったく外に漏れない袋で、
パンダ子(娘)のおむつ・猫のうんち・生ゴミなどを捨てる時に
いつも大変重宝しております。

そして昨日、アマゾンから届いたのですが、

「ややっ!?∑(゜ロ゜)」

 

 

 

ドラえもんの箱だーーー!!(゚∀゚屮)屮

 

すごいなー、こんなのあるんだ、初めてだわ!と思ったら、

数量限定の「ドラえもんラッキーBOX」なんですね、へえー!へえー!
アマゾンの購入者にランダムに送られてくるのだそうです。
側面や裏面に、所狭しとマンガのシーンがプリントされています、
これは楽しいですね!

    (※ドラえもん大好き・ニーミン(アルバイトさん)が、
 気合を入れて写真を撮ってくれました  Σp[【◎】]∀・´) )

 

しかも絵柄はこれ一種類ではなく、他の種類もあるとのこと。
そうか、それならば、

もう一回チャレンジしてみよう!!ヽ(≧ω≦)ノヽ(≧∀≦)ノ

というわけで昨日、「驚異の防臭袋 BOS(ボス) Mサイズ90枚入り」を
また3箱注文してみました!!(笑)
違うドラえもんが届くかなー、どうかなー!?

そして今日!!

 

 

 

普通の箱でした・・・・ シクシク (*ノω`゚)。 (*ノд`゚)。シクシク

 

そっかー、ほんとに数量限定なんだね、昨日のはほんとにラッキーだったんだね!
しかしこれ、ドラえもんの箱見たさに、
ちょっと無理してでもアマゾンで買い物したくなっちゃいますね(笑)
うまい戦略だなあ~~

あ、そういえば先日も、似た光景があったぞ、、、
お友達が我が家に遊びにきて下さいまして、
パンダ子におみやげを買ってきて下さったのですが、
そのおみやげが入っていた紙袋がこちらでした!

そう、高島屋さんの紙袋なんですねー、びっくりしちゃいました!
どうやらこちらも期間限定だったようです。

キャラ使用は日本人だけでなく外国のかたにも受けそうですし、
これからこういうのが増えていくのかもしれませんね。

(S様、Kちゃん、先日はどうもありがとうございました、
 パンダ子がすごく気に入って遊んでいます♪
 紙袋もネタにできちゃいました、ありがとう!(笑))

猫に数学を教わってみる

カテゴリー/当店の癒しの看板猫くまねこ堂通信


人気ブログランキングへ

 

しばらく前になりますが、先月、東京新聞に
「猫ちゃんの数学」という記事が載っていて、
可愛いタイトルに思わず目尻を下げながら読んでおりました(*´∀`*)

猫は気温の寒暖によって、身体のポーズを変えます、
我が家の猫ズに再現していただきましょう

寒い時には、できるだけ丸く小さくなり、

 

暖かくなると、少し長くなって香箱を組み

 

 さらに暑くなると、ぐで~んと長くなって床に寝転がります。


「猫ちゃんの体内の熱は表面から逃げてゆく、表面積が大きければ逃げる熱は多いし、

 小さければ少ない。だから、それを食い止めるには、表面の面積を小さくすればよい。
 『面積を一番小さくする形は丸・球である』という数学の定理があるから、
 少しでも数学をかじった猫ちゃんなら、寒いときは丸くなっていて、
 その逆に暑いときは長くなっているのが当たり前なのである。
              四方義啓/名古屋大名誉教授(東京新聞・20161/23夕刊より抜粋)」

学生時代に、こんな感じですべて猫にたとえて授業してもらえたら、
自分も数学で満点取れたかもね~(*´∀`*)ハハハ

古美術店が舞台のマンガ「文明開化とアンティーク」

カテゴリー/くまねこ堂通信


人気ブログランキングへ

こちらのマンガ、明治時代の骨董屋(古美術店)が舞台ということで
楽しみに読んでいたのですが、全4巻であっさり終わってしまったようですね、
残念だなあ、、、(´`)


「文明開化とアンティーク~霧島堂古美術店」
浅田京麻/秋田書店/プリンセスコミックス

時は明治時代、横浜の「霧島堂」という古美術店を舞台に
毎回様々なお話が展開するのですが、骨董屋が舞台なだけあって、
根付自在置物、阿蘭陀焼、刀装具の彫師、
雪舟酒井抱一伊藤若冲月岡雪鼎(せってい)など、
骨董好きなら思わずワクワクしてしまうキーワードが散りばめられています。

たとえば1巻のこのシーンでは、狩野長信(1577-1654年)の名前が出てきます。

あまたいる狩野派の絵師たちの中でも、超ビッグネームの永徳探幽ではなく
長信が出てくるあたり、面白いなあと思いました。
長信は天才・永徳の末弟ですが、永徳とは34歳も(!)年が離れており、
江戸幕府が始まってまもない慶長年間、
狩野派として最初の徳川家御用絵師となったそうです。

こちらが長信の代表作として知られる、
花下遊楽図屏風」(17世紀初め / 国宝 / 東京国立博物館蔵)です。
「もっと知りたい狩野永徳と京狩野 (アート・ビギナーズ・コレクション)」より)

ちなみに今回取り上げたこの「文明開化とアンティーク」というマンガは、
作者のかたの初コミックスということですので、
今後またぜひ、骨董を題材にした作品を書いて下さらないかしらと期待しております♪

クラシック音楽における「のだめ」しかり、囲碁における「ヒカルの碁」しかり、
大ヒットマンガが巻き起こす一大ムーブメントのパワーは
計り知れないものがありますものね。
ぜひ、コテコテの和骨董・古美術界を舞台にした大人気漫画が生まれてほしいなあ!
漫画家様、ぜひどなたかチャレンジお願いいたします!:kaomoji6:

———————————————-
本日の参考文献はこちらです!:

パンダ子通信:ドラえもんとせいくらべ

カテゴリー/育児・子供くまねこ堂通信


人気ブログランキングへ

 

パンダ子(娘・1歳10か月)。
実物大のドラえもんと、せいくらべです

ドラえもん、口が大きいなあ~~!!
パンダ子が食べられちゃいそうな大きさですね(笑)

 

ドラミちゃんはやっぱり永遠のアイドルよね!

 

 

今は紫色のドラえもんの女の子もいるんですか??
最近のドラえもんは全く知らないので、
知らないキャラクターがたくさんいるんだろうなあ~~

自分は幼稚園のころ藤子不二雄さんのマンガが大好きで、
中でも一番最初に読んだのは「ドラえもん」でした。
何度も何度も読んでマンガに出てくる言葉をおぼえて、
自然とボキャブラリーが増えていったのを記憶しており、
自分の言葉の最初の礎は「ドラえもん」が作ってくれたような気がしています。

もう少ししたらパンダ子と一緒に、またアニメを見たり映画を観たりするんだろうなあ、
懐かしいなあ。
藤子Fさんの作品から伝わってくる優しさや温かさは、時代が変わっても、
これからもずっと受け継がれていってほしいと願っております
 

 

応挙風の可愛い仔犬画を集めてみました

カテゴリー/くまねこ堂通信


よろしければ応援ワンクリック :upup: お願いいたします!

 

前回の記事で(2016/02/10)、仔犬が2匹じゃれている
可愛い江戸時代の根付(虎渓作)をご紹介いたしました。

この丸々とした愛くるしい仔犬の姿は、いかにも円山応挙風の仔犬を彷彿とさせます。
せっかくなので、江戸・明治期の有名絵師によって描かれた、応挙風の可愛い仔犬たちを、
いくつかご紹介してみようと思います。
(参考文献:「別冊太陽 円山応挙」平凡社、「別冊太陽 長沢芦雪」平凡社、
        「かわいい琳派」東京美術)


円山応挙「狗子図」 1778年/敦賀市立博物館

可愛い仔犬の絵といえば、やはり円山応挙(まるやまおうきょ/1733年-95年)を
筆頭に挙げなくてはいけないでしょう!
このつぶらな瞳、丸っこいフォルム、毛皮のモフモフ感
江戸時代も今も、日本人の持つ「可愛い」感覚は変わらないのだなあと、
江戸の人々に親近感を感じさせてくれる絵ですね(^^)

子犬は、古くから吉祥の絵の題材としても描かれており、
応挙以前に仔犬が描かれていなかったわけではないのですが、
応挙ほど無垢な子犬の愛らしさを全面に魅力的に捉えた画家はそれまでおらず、
いまいちメジャーではなかった子犬を一躍人気の画題にしたのだそうです。

 


山口素絢「朝顔狗子図」 1792年/宮内庁三の丸尚蔵館

山口素絢(やまぐち そけん/1759-1818年)は応挙の弟子で、和美人図を得意としました。
この作品は応挙が在世中に描かれたもので、
当時弟子たちは「応挙風」の絵を求める人々のためにも作品を描いており、
人気のあった応挙の子犬の絵を忠実に倣った一作だそうです。

 


長沢芦雪「髑髏仔犬(部分)」 18世紀/大阪・藤田美術館

長沢芦雪(ながさわろせつ/1754-99年)も応挙の弟子です。
卓越した技と大胆な画風で、人々の意表を突く作品を描き、
46歳(数え年)で死去しました。
死因は毒殺とも自殺とも言われ、謎に包まれています。

この絵は、「幽霊・髑髏仔犬・白蔵主図」という三幅のうちの一部分です。
絵の題材は、狂言「釣狐」の元にもなった白蔵主(はくぞうず)の伝説に由来し、
髑髏は本物の白蔵主(人間)をあらわし、
子犬は、やがて偽物の白蔵主(狐)を殺すことになる犬をあらわしているのであろう
ということです。
無垢な子犬と骸骨という意外な組み合わせが、
なんともいえない不気味さを醸しだしていますね。

 


伊藤若冲「百犬図(部分)」 1799年/個人蔵

長沢芦雪曾我蕭白とともに「奇想の画家」として称せられている
伊藤若冲(1716-1800年)は、今や日本で最も有名な画家の一人といえましょう。

・・正直、可愛いというにはちょっと微妙なワンちゃんですが(;^^)
上の写真は絵の一部分で、実際は画面狭しと描かれた仔犬たちは
全部で60匹(100匹じゃないのね)、見る者を圧倒させる迫力があります。
若冲84歳、亡くなる前年の作品だそうです。すごい!

 


中村芳中「光琳画譜」より『仔犬』 1802年/千葉市美術館

中村芳中(なかむらほうちゅう/生年不詳 – 1819年)の「光琳画譜」は、
光琳風を意識した芳中の作品集です。
すっかり丸くデフォルメされた仔犬たちから、
彼のほのぼのとしたユーモラスな作風が伝わってきますね(^^)
芳中のサービス精神にあふれた笑いの世界は、
活動の基盤であった大阪という地と無関係ではないだろうということです。

 


神坂雪佳「百々世草(狗児)」 1909-10年/千葉市美術館

まるで人間の子供のように、興味津々でカタツムリを見つめる子犬。
その様子を見ているお友達の子犬も可愛らしいです(^^)

神坂雪佳(1866-1942年)は、京都市立美術工芸学校で教鞭をとるかたわら、
絵画から工芸デザイン、雑誌編集、研究まで多彩な活動を展開しました。
彼の洒脱なデザインは、今の我々が見てもまったく色あせることなく
モダンで素敵です。

—————————————————–
本日の参考文献はこちらです!

   

虎渓の仔犬根付(江戸時代)

カテゴリー/東京都出張買い取り本・古本・古書骨董品・古いものくまねこ堂通信


よろしければ応援ワンクリック :upup: お願いいたします!

 

以前買い取りで入ったものです。
たしかまだブログに載せていなかったと思うので、ご紹介させて頂きます。
江戸時代の根付で、虎渓作、黒檀です。

可愛い~~~!!
コロコロとした2匹の仔犬が、仲良くじゃれあって遊んでいます。
丸いフォルムがなんとも愛くるしいですね!

 

こんなに小さな作品ですが、動物好きなら必ずチェックしてしまう萌えパーツも
ちゃんと表現されてますよ~(笑)

にくきう♪

 

おシッポ♪

 

あ、タマタマがあるから雄のワンコなのね~(´∀`) (*/ω\*) 

ちゃんと銘も花押も彫られています。
ところで、根付好きなら知らない人はいない、この作者の虎渓という人物は、
一体どういう人物だったのでしょうか。

木刻を以て多く獣類を作る。殊に虎を得意とし虎渓の虎は世に定評あり。
又動物などのうらゆき殊に見事なり。
伊勢鈴鹿郡阿野田に生れ、亀山にて技を学び、後桑名に住し
岷江(みんこう)を理想とし其の風を採り、之に写生風を加へ
会心の作品には岷江風の花押を刻せり。天明寛政頃の人なり。(彫銘、虎渓)
(「根付~江戸細密工芸の華」日本根付研究会二十周年記念出版より抜粋。
 なおこの記述は、「根付の研究」(上田令吉著/昭和18年刊)に
 掲載されたものだそうです。)

お、「会心の作品には岷江風の花押を刻せり。」って書いてあるぞ。
ということはこの仔犬の根付は、虎渓会心の作と考えてもいいのかな?うふふ

——————————————————–
本日の参考文献はこちらです:

「根付~江戸細密工芸の華」日本根付研究会二十周年記念出版

この本は、日本根付研究会の発足20年を記念して作られた本で、
多くの会員のかたのコレクションの中から、
質の高いもの、珍しいもの、見どころのあるものを選んで紹介されており、
根付の勉強には大変役立つ一冊です。 

古本買取くまねこ堂 出張買取対応エリア

埼玉県・東京都・千葉県・茨城県・神奈川県を中心に承っております。詳しくは対応エリアをご確認ください。

PAGE TOP