古本・なつかしもの屋 くまねこ堂

くまねこ堂・妻のブログ

書込でCD-BOXゲット(笑) /東京都杉並区と埼玉県蕨市で、DVD-BOX、ムック本、絶版書などお譲り頂きました。

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マリア・カラスの52枚組CD-BOXが入ってきたよぉ~(^ω^)」
「うわ~~お!!ヽ(≧∀≦)ノ」

 

表紙はトラヴィアータですね、美しい・・・(*´∀`)ウットリ
52枚組、25のオペラ全曲盤が入っております。

外箱を開けると、4つの箱に分かれていて、

 

さらに中のケースの一つ一つにもカラスのポートレートが写っています、
ファンにはたまらんですね!:wa-i:

この中に収録されているのは私だいたい持ってるんですけれども。
いいなー、箱も素敵だし、これ欲しいなあ~~
と思いつつ状態をチェックしていると、

 

 

「解説書にボールペン書込キタ━━━(゚∀゚)━━━!! 」

「気が付かなかったーーー!! 。・゚・(ノω`)・゚・。」

 

というわけでしょうがないなあ、
これは私がもらっといてあげるね!(人´∀`)ウフフフ (TωT)ド‐ゾド‐ゾ!


「Maria Callas – 25 Complete Operas」
あらまあ、輸入盤とはいえ
52枚も入っているのに5000円代で買えちゃうのか、安いなあ!(汗)

しかしあれですね、ちょっと調べてみたら、マリア・カラスのCD-BOXって
色々あるんだなあ!:cat_5:
「103枚組」とかありますよ、すごい・・・!:ase1:

 


Callas Complete Recordings(70枚組)


30 Complete Operas(64枚組)


マリア・カラス コンプリート・ライヴ・オペラ・コレクション (103枚組)


the great diva edition MARIA CALLAS 26CD SET(26枚組)

わあ・・・重複していない貴重な録音も色々あるようですし、
ファンならどれも欲しくなっちゃいますねえ!!

英国人写真家の見た明治日本 /東京都杉並区で出張買取りでした。

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こちらの本を読んでいます。
「英国人写真家の見た明治日本~この世の楽園・日本」
ハーバート・G・ポンティング著、長岡祥三訳/講談社学術文庫

著者のハーバート・G・ポンティング氏はスコット南極探検隊にも同行した写真家で、
世界中を旅し、中でもことのほか日本を愛し「この世の楽園」と讃えたのだそうです。

昔の日本を旅した外国人による「日本旅行記」は色々と読みましたが、
その中でもこのポンティング氏の著書は日本に対する優しい愛情にあふれており、
文章も上品で美しいです。
写真家ならではの、当時の写真も多数掲載されており、貴重です。
京都や阿蘇山・浅間山・富士山、鎌倉や江ノ島などの観光地の様子や人々の様子、
日本の女性たち(すごい褒めっぷりです!笑)、そして日本の美術品や工芸品についても
熱く語られています。

こちらは、京都の名工、黒田氏(青銅の象嵌師)の家を訪ねたときのエピソードです。

———————————————————–

彼の家を三度目に訪問したとき、彼はこう言った。
「あなたは私の仕事のことをほんとうにお知りになりたいようですね。
 では、これからお教えいたしましょう。大抵の外国人は青銅細工のことを
 知っていると思っていますが、ほんとうにそれについて知識を持っている人は
 ほんのわずかしかいません。多くの外国人に私の一番良い作品を見せるのは、
 報いのない仕事です。というのは、ある作品がそれとそっくり同じに見える他の作品に比べて、
 何故値段が四倍も五倍もするのか、彼らには理解できないからです。
 教育のある日本人でさえ、美術品の蒐集家でないかぎり、
 日本の美術について何の知識も持っていません」(本文より)

———————————————————–

そして、黒田氏は近くの棚に行き、注意深く慎重に考えた揚げ句、
たくさんの箱の中から一つを選び出し、その中から青銅の飾り板を取り出して
ポンティング氏に見せ、尋ねました。
「さて、これをどう思いますか?」
ポンティング氏はその飾り板を注意深く調べ、黒田氏に答えました。
「私が今まで訪れたどこの店でも、その図柄においても細工においても、
 これほど美しい品物を見たことがないです」と。
すると、黒田氏の答えはこうでした。

———————————————————–

「私がその品物をどう思っているか、分かりますか?
 今ご覧になっているのは、単なるがらくたに過ぎません。日本の蒐集家は二度とそれを
 見向きもしないでしょう。では、目の利く日本人が上等の品物だという物をお目にかけましょう」
(本文より)

———————————————————–

そういって黒田氏はもう一つの箱を開けて、同じような大きさの飾り板を取り出し、
ポンティング氏に手渡しました。

———————————————————–

両方の作品を並べて、よく観察してみると、それだけでも良い勉強になった。
片方の作品は確かに美しかったが、もう一方の作品は比較にならないほど美しかった。
両者の間には、手造りのカット・グラスと型押しのカット・グラスほどの相違があった。
この違いは最初ちょっと見ただけでは分からないが、細かく調べてみるとはじめて、
大変な技巧と莫大な労力が片方には費やされ、もう一方にはそれが欠けていることに
気がつくのである。二枚目の飾り板の値段は三十ポンドで、最初に見た飾り板の
四倍近い値段であった。嵌め込んだ金や銀の厚みが厚く、青銅の品質も一段と上等であったが、
値段の高いのは、主としてこれだけの細工をするのに費やされた技術であった。(本文より)

———————————————————–

ここで、私は女優の高峰秀子さんが著書「わが渡世日記」の中で書いている、
「(自分は)絵でも陶器でもいきなり「良いものばかり見ちまえ」という方法をとってきた。
  「良いもの」を見ておけば、自然に「悪いもの」が分かるはずだ」
という言葉を思い浮かべました。
音楽でも美術でも骨董でも、その他きっとどんなジャンルでも一緒だと思うのですが、
 「見極めることのできる目」を持ちたいと思ったら、
やはり「悪いもの」をどんなにたくさん見ても意味が無くて、
「良いもの」を吟味して見ることが最良の早道なんだろうなあと思います。


『精巧な細工の施された刀の鍔(つば)』 (「英国人写真家の見た明治日本」より)

最後に、当時の日本の一級の工芸品が、
海外でどれほど驚きの目で見られたかということがわかるエピソードをご紹介したいと思います。
ポンティング氏は「S・駒井」という鉄の象嵌職人が作ったシガレット・ケースを持っていて、
彼がこのシガレット・ケースをスペインで最も有名な象嵌細工の工房に
持って行ったときのお話です。

———————————————————–

この美しい日本の工芸品は、いくら見ていても決して見飽きないほどであったが、
私がその真価をほんとうに認識したのは、スペインで最も有名な象嵌細工の工房として
知られているトレドの大きな刀剣製造所を訪問してからのことである。
ある日私は象嵌細工をしている部屋に入っていって、ケースを取り出し、
職人の長の机の上にそれを置いた。その男は驚きの叫び声を上げてそれを手に取り、
一目見るや否や、一言も言わずにそれを持って、もう一つの部屋に入っていった。

五分後に彼は五、六人の他の男たちを連れて戻ってきた。彼らは方々の部門の長であった。
この熟練した職人たちは、半時間ほど拡大鏡でケースを微に入り際に入り調べ上げて、
溜息をつきながら今までこれほどの品物を見たことがない、意匠の美しさにおいても
仕上げの完璧なことにおいても、これに匹敵するような技術を持った者は
スペインには一人もいないと言った。その日以来、この美しいシガレット・ケースは
私にとってなお一層貴重な品物となった。それはその価値に対する私の評価が
間違っていなかったことが、ヨーロッパの最高の専門家によって確認されたからである。
(本文より)

2000冊の9割以上に紙カバーが(笑) /神奈川県横浜市港北区菊名と、東京都小金井市で、クラシックCD、ジャズCD、マイルス・デイヴィス、マリア・カラス、オペラ、DVD、DVD-BOX、経済学、パソコン実用書、専門書、事典、辞典、文学、ミステリー、推理小説、探偵小説などお譲り頂きました。

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今日くまきちは、神奈川県横浜市港北区菊名と東京都小金井市で出張買取りでした。
お盆シーズンに突入し、先週の金曜日あたりから道路が混み混みで、
移動も大変なようです  :track: :ase1:

1件目は2000冊とちょっと多めだったので、
アルバイトさん(♂)を一人連れてのお客様宅に向かいました。
持ち主様は大切に保管されていたのでしょう、
蔵書の9割以上に新刊書店の紙カバーが付けられておりまして(汗)
まずは紙カバーを外す作業から始まったそうです。

でも紙カバーを外すと裸本(函やカバーが無い)だった~という本もちらほらあり、
後でお客様に「ここにカバーがありました~」とカバーだけごそっと渡されて
「うわー、さっき中身どっかにあったな~ 。・゚・(ノω`)・゚・。」なんてことも(笑)
エアコンの無い暑いお部屋で、2階での作業ということもあり、
本を下に降ろすのも含め、なかなか大変な作業だったようです。

今日は2件目の買い取り予約が入っていたこともあり、
今日はひとまず全体の約半分、ハイエース一杯分だけ買い取りさせていただき、
残りはまた明日取りに行くことになりました。
明日は同時進行でもう一件買い取りもあるので、ついに
緑ちゃんと紺ちゃん(2012/8/2参照)が
一緒に活躍する日がやってきましたー!!(*´∀`ノノ”☆

 

明日も朝から忙しくなるなあ~~:ase1:
がんばるぜよ!

本日はクラシックCD、ジャズCD、マイルス・デイヴィス、マリア・カラス、オペラ、
DVD、DVD-BOX、経済学、パソコン実用書、専門書、事典、辞典、文学、ミステリー、
推理小説、探偵小説などの本をお譲り頂きました、どうもありがとうございました。

日本映画史上の大女優・田中絹代 その孤独な晩年 /東京都港区赤坂で出張買取りでした。

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2012/8/1に「山田五十鈴も高峰秀子も怖がった、大女優栗島すみ子」という記事を
書きましたが、その時に取り上げた成瀬巳喜男監督の「流れる」(昭和31年)を見てみました。

 

東京下町の芸者置屋では、表面の華やかさとは裏腹に、それぞれの女たちの
せちがらい世界が繰り広げられていた……。
花柳界に生きる女たちの姿を、成瀬巳喜男監督が淡々と、そして冷徹に描いた秀作。
原作は幸田文の同名小説。語り部は住み込み女中役の田中絹代で、女将に山田五十鈴、
その娘に高峰秀子、芸者役に杉村春子、岡田茉莉子など、さらには日本映画草創期の大スター、
栗島すみ子の久々の銀幕復帰と、そうそうたる女優たちの競演ではあるが、
そうした白粉の匂い濃厚な女たちの世界観を極めながらも、妙に派手にすることは避け、
むしろ抑えた演技で一貫させながらそれぞれの魅力や哀しみ、はかなさなどを
巧みに醸し出していくあたりは、やはり成瀬演出の真骨頂ともいえるだろう。(的田也寸志)

映画自体も、そして実力ある大女優さんたちの競演も大変見ごたえがあり、
素晴らしかったです!
そして私はこの映画で、日本映画史上に名高いかの有名な田中絹代さんを
初めて見たのであります。
田中さんは当時47歳で、しかも控えめな女中さんという役どころなので
なんの派手さもなく地味なのに、画面に現れた途端すぐに目が釘付けになってしまいました。
優しく穏やかで、品が良く、誠実で情深い女性を見事に体現しており、
その姿はいつの時代でも我々日本人が郷愁を感じてしまう
理想の「お母さん」像のような気が致します。

その演技力と魅力にすっかりファンになってしまい、
さっそく田中さん主演の映画DVDを新たに3つゲットしました。
(2本はアマゾンで購入、1本は買い取りでゲット!(笑))
次の休みに見るのが楽しみです!

———————————————————–

そして、山田風太郎の「人間臨終図鑑(全3巻)」を読んでいたら、
ちょうど田中絹代さんのことも書かれていたので読んだのですが、
・・・日本映画史を代表する大女優でありながら、
最後は孤独で寂しい晩年を過ごされたようで、心が痛みました・・。

(以下は「人間臨終図鑑2」(山田風太郎・徳間書店)より)

「ああ倉本さん、倉本さん!ほめられましたよ、ほめられました!
みなさん感激して下さいまして田中の電話は鳴りっ放し!
みなさんインテリア(ママ)の方々で-」(倉本聰『さらば、テレビジョン』)

65歳の田中絹代は昭和49年の映画「サンダカン八番娼館」、テレビ「りんりんと」で、
鬼気せまる演技を見せ、観客を感動させた。「りんりんと」が放映された翌朝、
脚本家の倉本聰が電話すると、田中絹代のさけび声が聞こえた。

昭和51年のNHK連続ドラマ「雲のじゅうたん」に彼女はナレーターとして出演したが、
その途中9月ごろ愛猫のエサを買いに鎌倉駅前のデパートにいったとき、
足がよろめいて転んだ。それ以来吐き気や頭痛を訴えはじめ、
自宅で横になっていることが多くなったが、不調をおして「雲のじゅうたん」
総集編のナレーションも無事録音した。

その年の11月末、日本テレビ「前略おふくろ様」の撮影で倉本が立ち会ったとき、
しかし田中絹代はすでに異常を呈していた。倉本は書く。

「その日の仕事はめちゃくちゃだった。辛いことだが田中さんは
もうセリフを云うことが出来なくなっていた。しかし田中さんはよくしゃべり、
よく笑った。いや、正確に云ってしまうなら、異常に、と表現すべきだろう。
田中さんは明らかに精神の均衡を失っていた。何でもないことにプッと吹き出し、
かと思うと急にギュッと口を閉じ、更に突然すさまじい口調で人の悪口を
次から次へ云った。麹町から代々木の稽古場へ一緒の車で向かう中でも、
田中さんは1人激しくはしゃぎ、激しく怒り、そして笑った。

僕は田中さんに懸命に合わせながら、どうしてこんな田中さんを
(テレビに)引っ張り出すようなことをしたのか、錯乱の中で後悔していた。
田中さんの背に手を廻して鎮めよう鎮めようとさすりながら、熱い塊を必死に抑えた。
田中さんの身体は異常に小さく、僕の腕の中にすっぽり入った。(中略)
激しい神経的躁状態が田中さんの内部からほとばしっていた。『あいつは何だ』とか、
『あのヘタ監督が』とか凄まじい表現が機関銃のように田中さんの口から奔走り出た。」

暮の27日、彼女はついに本郷順天堂病院に連れてゆかれ、翌52年1月に入院した。
彼女自身は聞かされなかったが、病名は脳腫瘍であった。

入院後の2月ごろ、つきそいの映画監督小林正樹につぶやいたことがあった。
「セリフをしゃべらず、じっと動かないでつとまる役はないかしら」小林は答えた。
「それはできますよ。セリフがなくても動かなくても、名女優は名女優です」
むろん小林は、絹代のことを考えていたのだ。

自分の病名を知らず、早くよくなろうとして彼女は、うなぎやアナゴを必死で食べた。
しかし3月にはいって彼女は、箸を使うことが出来なくなり、手で食べはじめた。
しかし、それでも田中絹代らしく、それはいかにも可愛らしかった。

厠にも立てなくなると、おしめをあてがわれたが、17歳のときから付き人をしている
仲摩篤美が手をのばして具合をたしかめようとすると、首をふっていやだといった。
その一方で仲摩の手で毎日顔にクリームをぬらせた。

倉本は記す。
「ただ1つ書いておきたいことは、その時田中さんに全く金がなかったことである。
鎌倉の家と、三崎に建てかけて中座したままの別荘はあったが、
田中さんには使える金がなかった。それどころか借金を抱えていた。
入院費すら全くなかった。抵当に入っていた鎌倉の家すら、
放置すれば人手に渡るところであった」

「田中さんは恐らく三崎の家に、最後の夢を注いでいらしたのだと思う。
だが、不幸にも資金が続かなかった。九分通り出来上がったその家は、
ここ2、3年放置されていた。それでも田中さんは時折少しずつ、
気に入った電気器具や小さな家具を買い、三崎のその家に運び込んでいた。
未完成の家の中に、それらの品が、店の包装のままちょこんと置かれていた。
(中略)いずれにしても日本映画界を代表するスターの、
これが最後の夢だったのかと思った。そしてその家へ恐らく一度も、
足を踏み入れずに果てられるであろう田中さんの口惜しさを思った」

いったい、半世紀にわたり一代の名女優として彼女が稼いで来た莫大なギャラは
どこへ行ってしまったのか。

「田中さんの病室を最後に訪ねたのは、あれは2月の何日だったろうか。
田中さんは既に口がきけなかった。それでも壁のレリーフ(51年度の
芸術祭最優秀賞として彼女主演の『幻の町』が文部大臣から受賞した盾のレリーフ)
を指さし、そして必死に笑おうとされた。でもその笑いはすぐに涙に変わった。
田中さんは自分の袖をまくってみせた。何か仰ったが、ききとれなかった。
その二の腕のあまりの細さに僕は何も云えなかった。田中さんは自分のその腕の細さを
窓の光にかざすようにし、永いことじっと見つめておられた」

最後には眼も見えなくなった。痰がつまって苦しむので、のどに穴をあけた。

3月21日午後2時15分、彼女は順天堂病院で息をひきとった。

口がきけるうち、従弟にあたる監督の小林正樹にいった最後の言葉は
「桜の咲くころは、きっと鎌倉の家へ帰ってお花見するからね」という言葉であった。

やはり映画監督の中村登はいう。
「お通夜のとき、小林正樹さんが言いました。
『とても良い顔をしています。見てやって下さい』白布を拡げた時の絹代さんは、
60年という修羅場を女ひとりで戦い抜いて来たとは見えない安らかな顔でした。
不覚の涙がこぼれました」

その翌日の夕方、倉本ははじめて田中の鎌倉の家を訪れた。
「-その部屋はひどく寒かった。寒いのに暖房の設備が殆どなかった。
寒い上にやたらに暗かった。(中略)洋間に続く四畳半があり、
そこに小さな置きごたつがあった。こたつのすぐ脇に電話があったので、
田中さんはいつもここにいたンだなと判った。古びたテレビが1台あったが、
驚いたことにそれは白黒テレビだった。それがたったの1台きりだった」

40年間田中につきそい、彼女がボディさんと呼んでいた老優隼信吉は
べろべろに酔い、泣くように話しかけた。
「先生ごらんよ、ここにいたんだよ、田中絹代はいつも独りでね。
俺がたまに来るとこの暗い部屋で、こたつに当たって頭かかえてンだ。
両手でこうやってさ、電気もつけずにさ、田中絹代はいつも独りで、
頭抱えて坐ってたンだ。え、判りますか。天下の田中絹代がですよ!
頭抱えて坐ってるんですよ!」(倉本聰『さらば、テレビジョン』)

築地本願寺の葬儀には、しかしカッポウ着姿といったおばさんたちをふくめ
ファン2000人が集まり、みな焼香台の上に100円玉を置いていった。
ああ、これこそファンが、昭和期最大の映画女優田中絹代に捧げた
最高の勲章ではあるまいか。-この金は遺骨とともに墓地に埋葬された。

死後に「楢山節考」と「愛染かつら」が再上映された。
映画が終わると劇場内には期せずして万雷の拍手が起り、いつまでも鳴りやまなかった。

「人間臨終図鑑2」(山田風太郎・徳間書店)

夏の夜長のミステリーマンガ /神奈川県横浜市戸塚区と、埼玉県さいたま市中央区で、SF、文学、異端幻想文学、デザイン、美術、アート、専門書、ムック本、ゲームソフト(ニンテンドーDS、ゲームボーイアドバンス)、切手、テレホンカードなどお譲り頂きました。

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夏の夜長のミステリー。
最近読んだ、レトロ感あふれるミステリー系マンガを、いくつかご紹介します。

 

「幇間探偵しゃろく1~2」 青木朋 (著)、上季一郎 (著)/小学館

あらすじ:時代は昭和初期。東京向島の華やかな花柳界を舞台に繰り広げられる、
本格ミステリー漫画が満を持して登場!
日本橋の大商店「和田宗」の次男坊・宗次郎は、“仕事よりも遊び”の毎日を送っているが、
その座敷遊びで知り合ったのが幇間の舎六。この男、幇間のくせに大酒飲みで、
気に入らない客には怒鳴りつけたりする鼻つまみ者だった。
だが、その実この舎六は天才的な頭脳の持ち主で、向島を舞台に起こる難事件を
次々と解決していく! 昭和版「ホームズ&ワトソン」よろしく、舎六と宗次郎の2人が大活躍する。

 

「江戸川乱歩異人館1~4」山口譲司 (著)、 江戸川乱歩 (原著)/集英社

言わずと知れた江戸川乱歩の名作の数々を、漫画化したものです。
「少年探偵シリーズ」など少年向けのジュヴナイルではなく、
大人向けに書かれた本来の乱歩ワールドが流麗な絵で妖しく展開されています。
・・グロいシーンもございますのでお子さんにはお勧めいたしませんが(;^^)
大人が読んで背筋がゾワッとする、夏の夜に合っているかもしれません。

 


「幽麗塔1~3」乃木坂太郎(著)/小学館

あらすじ:時は昭和29年、舞台は神戸。ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、
白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。
テツオは曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。
しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名であった・・・・・・・・

黒岩涙香の「幽霊塔」がもとになっていますが、
原作とはストーリー展開がまったく違っていますので
別の作品として楽しむことが出来ます。

けっこう話の展開に予想がつかないというか、
次から次へと飛び出す登場人物やエピソードが2転3転、謎が謎を呼びます。
3巻も気になるところで終わっています、
次の巻ではいったいどういう方向に話が進むのでしょうか。
(あ、こちらもグロいシーンがございますので、大人向けです(;^^))

———————————————————–
今日は神奈川県横浜市戸塚区と埼玉県さいたま市中央区で、
SF、文学、異端幻想文学、デザイン、美術、アート、専門書、ムック本、
ゲームソフト(ニンテンドーDS、ゲームボーイアドバンス)、切手、テレホンカードなど
お譲り頂きました、どうもありがとうございました。

このまがまがしきは、美味ドラゴンフルーツ /東京都江戸川区で出張買取りでした。

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最近、ドラゴンフルーツにハマっています(*´艸`*)

去年台湾に行った時にホテルのウェルカムフルーツに用意されていて、
それで食べたのが最初です。

これがドラゴンフルーツだ!

 

 

この、まがまがしいともいえる強烈な色とフォルムも好きです(笑)

切ると中はこんな感じ。

 

 

食感はキウイに似ています、
小さな種がたくさん入っていて、黒ゴマちっくでおいしい。
派手な外見のイメージとは裏腹に、中身の味はとてもあっさりさっぱり、薄味です。
主な効用として、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防、
貧血予防、がん予防があるそうですよ。(ドラゴンフルーツの栄養と効能

ちなみにくまきちは、「味が薄すぎて・・・(´・ω・`)」とイマイチのようなので、
好き嫌いがわかれる果物かもしれませんけど、私はめっちゃ好きやわーー!:heart:
最近の日本の果物って、甘くするための品種改良を繰り返しているので、
全体的に甘すぎる気がするのよね(´・_・`)
果物って、昔はこんなに甘くなかったはず・・・
甘すぎると結局体にも良くないしね、
だから自分はこういう味を求めているのかもしれません。

・・・ただ、うちの近所のスーパーでは売っていないので、
ちょっと遠方に行かないと買えないのよね~、残念:|

セミの抜け殻に夏を思う /千葉県市川市で出張買取りでした。

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くまきちが、出先からパソコンに送ってきた写真です。
パシャッ! Σp[【◎】]ω・´)

 

 

うおう、セミの抜け殻!!(゚∀゚屮)屮
夏らしいですなあ~~

ちなみに背中に見える白い糸のようなものは、「気管(呼吸器官)」なのだそうですよ、
へえ~知らなかった!

ちなみにワタクシ、子どもの頃は虫が大好きでした。
カブトムシやクワガタ、スズムシ等に心ときめかせ、
夏はセミの抜け殻を集めるのも大好きでした。

でも小学生のある日、「えーー、女の子なのに虫が好きなのお~!?」
みたいな反応をされ、さらに虫を怖がってキャーキャー言う女子たちを見て、

「あ・・・・女の子って、虫を怖がらなきゃいけないのね・・・・(゜―゜):ase1:

と気づき(?)、それ以来つとめて虫を怖がるふりをしていたら、
いつの間にか本当に虫が苦手になってしまいました・・・。

でも大人になってから、昆虫大好きなくまきちと出会い、
そして本当に嬉しそうに昆虫を愛でるくまきちを見ているうちに、
「ああ、自分を無理やり周りに合わせるんじゃなかったなあ」
「人の目なんて気にせず、虫を好きなままでいればよかったなあ」
と思ったのでございます。
自分の人生なんだもの、世間体や人の目を気にして自分の好きな事をやらないなんて、
馬鹿馬鹿しいなあと思うわけで:|

というわけで、もし昆虫好きの小さな女の子がいたら、
ぜひそのまま我が道を貫いてほしいなあ、と思うのでございます:wink:
自然と触れ合うのは心身にとっても良いことですし、
そして好きなことがたくさんあればあるほど、人生は楽しくなるものだと思いますから!

地獄だって文明開化 /埼玉県さいたま市大宮区で、実用書、専門書、医学書、心理学、バガボンド、スラムダンク、マンガセットなどお譲り頂きました。

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「明治漫画館」という本を、読みました。


「明治漫画館」編著:清水勲/講談社

幕末から明治時代にかけての漫画や風刺画が紹介されている本で、
当時の世相や熱気が感じられて面白いです。

まずは河鍋暁斎(かわなべきょうさい)から。
こちらは有名な絵ですが、やはり面白いのでご紹介させていただきます。


暁斎楽画「地獄の文明開化」 河鍋暁斎/明治7年

地獄にも文明開化運動がおこり、鬼たちが物騒なツノを抜かれ、金棒を処分され、
閻魔大王も洋服を着せられるといった図である。
ツノを抜かれた我身を鏡で見て苦笑している鬼がユーモラスである、
「暁斎楽画」シリーズは暁斎のマンガ作品の中の傑作である(解説より)

写真では残念ながらわかりづらいと思いますが、
鬼のツノの取り方も色々のようで、力任せに引っ張られている鬼、
のこぎりでギコギコやられている鬼、トンカチで叩かれている鬼など様々ですが、
鬼達がいずれも神妙な面持ちをしているのがなんとも可愛いです(笑)
そして閻魔様にシルクハットをお持ちしているお婆さん(奪衣婆?)の洋装ドレス姿も、
なんともシュールです。

もう一枚、河鍋暁斎です。


「貧乏神と福の神」河鍋暁斎/明治六年

福の神がとりついて栄える銀行(文明開化・資本主義体制への象徴)と
貧乏神がとりついて廃屋となった土蔵(旧体制の象徴)との対比によって、
新時代の到来が貧富の差をますます激しくしていることを描いている。(解説より)

 


喧噪なる都会生活「大阪滑稽新聞」明治43年3月15日号

おお・・明治の頃にはもうすでに都会の騒音問題があったのか。
こういうのを見ると、
今も昔も根本的には何も変わってないんだなあと思います(苦笑)

 

こちらの、日比谷公園も、今も昔も・・・なのでしょうか(笑)


(上)賑はえる日比谷公園
(日比谷公園は今も昔もデートの場)

日比谷公園の各入口に「人道」と署(しる)したる木標あり、
アヽ人道、人道、人道とは夫(そ)れ青春男女をして、
堕落の淵に導くべき道標の謂れか

(下)大学生の競争「滑稽界」明治40年12月1日号
(大学の運動会の見物人は夫選びの若い女性ばかり。)

大学生の競争(見物は女ばかりだ!!萬朝報) 

 

運動会の見物人は女性ばかりだったんですか?へえ~~
それにしても、見物人の女性たちのかぶりつきようが
妖怪っぽくて怖いんですけど・・:kaomoji3:

———————————————————–

埼玉県さいたま市大宮区で、
実用書、専門書、医学書、心理学、バガボンド、スラムダンク、マンガセットなど
お譲り頂きました。どうもありがとうございました。

オリンピック寝不足症候群 /千葉県松戸市で、DVD、洋画、邦画、名画、洋楽、邦楽、ロック、ジャズ、DVD-BOX、音楽DVD、CD、記念硬貨、腕時計などお譲り頂きました。

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最近、出品数の割にはアマゾンが売れない気がするわ~~(´Д`)(当社比)

オリンピックとかワールドカップの時とかって、だいたいそうなのよね。
今もきっと皆さんオリンピックに夢中で、
本とかDVDとかCDとかいらないんだろうなあ~~┐(´-`)┌

くまきちもオリンピック中継に夢中で毎晩遅くまでテレビを見ているから、
このところすっかり寝不足ですもん。

アタシはすみません、興味が無いものでさっさと寝てしまうものですから、
アタシが寝た後くまきちはヘッドフォンをしてテレビを見てくれているのですが、
サッカーの試合とか見てて時折

 

「キターーーーー!!ヽ(゜ω゜)ノ」

 

「ヨッシャーーー!!ヽ(≧ω≦)ノ」

 

など興奮して思わず叫び声をあげてしまい、
その声でせっかく寝ていたのに目が覚めてしまったにゃん子さんに、

 

ゴゴゴゴゴゴ( 〇言〇)    ∑(`ω´;;/)/ キャーーー

 

と、どつかれたりしながらも、毎日眠い目をこすりながら
がんばって夜更かししているようでございます。
(普段のワタクシはかなり穏やかな気性の人間であると思いますが、
 寝ている所を起こされた時だけは
 怒髪が天を衝いてしまうの、うふっ(*´艸`*) ガクガク((((゜ω゜∥)))ブルブル 

さて、明日もがんばって入力せねばねーー
ここんとこあんまし売れないけどねーー(´Д`)(当社比)

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今日は千葉県松戸市で、
DVD、洋画、邦画、名画、洋楽、邦楽、ロック、ジャズ、DVD-BOX、音楽DVD、CD、
記念硬貨、腕時計などをお譲り頂きました、どうもありがとうございました。

ギブミーもふもふ!

カテゴリー/遺品整理本・古本・古書骨董品・古いものレトロなおもちゃブルーレイ・DVD・CD・ゲーム当店の癒しの看板猫


人気ブログランキングへ  現在1位です(本・読書部門)、どうもありがとうございます!

 

癒されて下さいませ。
本日の猫ズ(*´エ`*)

 

 

 

ああああーーーー

可愛い~~仲良しさん~~(*´Д`)ハアハア

 

 

はあああああああああ 

ギブミー もふもふぅぅぅぅ!!⌒Y⌒Y⌒ヾ(;;´Д`)ノ ハアハア

 

今日もよく働きました・・・
ゆっくりモフってリラックス:kero1:

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